バックナンバー(1999.6)


 

(1999.6.1掲載)

手応えは完璧

 さて、メールで聞かれたところの話。えーと、加藤さんかな。宇部の17番18番ホール、ホールサマリを見ると17番と18番がけっこう難易度が高いようだけど、どういうバーディを取ったのかっていう感じだったね。

 17番ホールは風が右からややフォロー目に吹いてました。で16番ホール終わって3オーバーで、予選通過は2オーバーが若干可能性があって、1オーバーなら100%っていうような感じだった。だから最低でもあと1つは縮めなければいけない。

 そういう状況でティーショットをドライバーで打った。まあアイアンで刻んでも、ピンが手前でなかなか寄りそうもなかったから、できるだけグリーンの近くのフェアウェイにドライバーで打って、ピッチングとかPSで打てる距離にしたかったんだ。ほんとそうしないと寄らないようなピンだったからね。

 ピンは左手前に切ってあった。でティーショットは左ラフ。もうどうしようもないラフで、どうしようもない状況なんだけど、行ってみたら幸い、ライがそんなに沈み込んでるライじゃなくて、まあラフとしては普通より若干程度がよかったんだ。

 で残りをサンドウェッジでピンまで、まあティーショットがなかなか距離が出てたんで、フロントまで85ヤードぐらいしかなかった。打ち上げだったんだけど、サンドウェッジでおもいきりショット打って、それがもう自分の手応えとしては完璧だったんだ。寄ったなと思ったら50センチぐらいに寄った。でバーディ。

 18番ホールは、今度は折り返しになるから逆に左からアゲンストで、初日にOBしてダボ打ってるホールだったと。あんまり得意なホールではないんだけど、初日が終わってからコーチの井上君と球が少しこすれるから、その対処方法というのを、短期的にじゃなくて長期的にもこういう練習をしたほうがいいんじゃないかっていう練習をした。昨日も書いたけど、3時間近くの特訓。それをそのまま実践できたっていう感じだったね。


(1999.6.2掲載)

みんなが入れさせてくれた

 宇部2日目18番ホールの話の続き。ティーショット、アゲンストだったんだけどよーく飛んでね。すごくいい球が出て、左の林のコーナーの上をドライバーでナイスショット打って、ピンまで残り123ヤード。フロントまで112で、11ヤード奧だから123ヤード。

 で、寄せはピッチングウェッジで打てたんだ。セカンドショットをピッチングウェッジで打ったら、右のやや手前目のピンにまっすぐ飛んで、ピンの手前3メートルぐらいに落ちて、だーーとバックスピンかかって手前のエッジまで戻っちゃった。

 グリーンは硬かったけど、フェアウェイから打てばやっぱりグリーン硬くてもスピンがかかるから、バックスピンかかるのはわかるんだけどね。手前のエッジまできちゃって、おいおい予定外のバックスピンかかりすぎだよって感じで、残り11メートルのパットが残ったんだ。

 でそれがね、入ったんだよ。もう物の見事にきれいなストロークができて、手がほんとによく動いたっていうのかな。ピンは抜かしておいたんだけど、きれいに入ってバーディで、17番18番とバーディバーディでホールアウトできて、結果的に1オーバーで予選は通過したんだ。

 17番18番っていうのは不調にも関わらず、応援してくれた人がたくさんいたんだ。それだけじゃなくて、うちの家内の実家だから、親戚の人とかあるいは知り合いの人とかがみんな見にきててね。でみんな大騒ぎして、中にはもうお年寄りのご夫婦なんだけど、もう泣いちゃってるんだ。あぁよかったぁ〜とか言って、もう涙を流して喜んでくれるような人もたくさんいたわけ。

 でもなんかそういうのを見てると、自分の実力のバーディじゃなくて、このパットはみんなが入れさせてくれたんだな、みんなの応援の力が働いてのバーディだったんだなっていうことを半分思ったね。なんか素直にそんなふうに思えたし、ほんとにドキドキしちゃったね。

 実は前週まで落ち・通り・落ち・通り・落ち・通りできてたから、これはピンチだぞ、今週は落ちかなぁ〜って一瞬思ったんだよね(苦笑)


(1999.6.3掲載)

長めのショートホール

 宇部はけっこうOBがよく出るホールっていうのがある。たとえば11番ホールとか、あるいは6番ホールとかで出るんだ。その6番ホールというのはワンオンしそうなミドルなんだ。ワンオンしそうっていうよりはワンオンするミドルだね。距離的に言うと、だいたい直線で310ヤードぐらいかなぁ。で打ち下ろし。310ヤードの打ち下ろしだと届いちゃうんだよね。実際横尾君だとか、何人か乗った選手もいる。

 まあそういうホールで、グリーンの右10ヤードぐらいでOBなんだけど、ティーショットを2番アイアンで打って刻んで、そこからPSとかサンドウェッジで打ってもおもしろみがないっていうか、もっと危険を冒してでもワンオン狙っていったほうがやっぱりいいというか。明らかに長めのショートホール。長めのショートホールって言ったらオーバーだけど、そういうホールだね。

 あと11番ホールなんかも右ドッグレッグのロングなんだけど、初日とか2日目とかっていうのは、右からのフック目のフォローの風だったから、右ドッグレッグでいちばん打ちやすかった風だったんだ。だからだいたい8番アイアンとかっていうクラブでセカンドが打てる。

 そうするとその池越え、林越えのルートで打ってくのがほとんどの選手のルートなんだけど、3日目とか最終日はちょっと左からスライス目の風が吹いてたんだ。だから初日2日目よりは大胆には狙わないんだけど、やっぱりコーナーにフェードボールっていうかストレートボール打ってけば、やっぱりミドルアイアンで打てるんだけどね。

 それがちょっと弱い球を打つと、右の池とか林に入ってOBになっちゃう可能性がある。でも左のほうに打ってくと220〜230ヤード残るから、やっぱり越えていったたほうが得っていう感じで狙っちゃう選手が多いね。

 まあ刻むに刻めないし、ドッグレッグカットしたほうが勝ち、あるいは狙ってったほうが勝ちみたいな感じのそういうようなホールっていうのかな。でまあそういうホールなんかで6発もOBにしてしまったね(苦笑)


(1999.6.4掲載)

そういう狙いになっちゃう

 宇部の2日目は結局、インを4バーディ1ボギーの33で上がって予選通過。でもあれも3番ホールでダボ打ってるし、6番ホールでOBでボギー。毎日OB1発ずつで、初日1発、2日目1発、3日目1発、で最終日はなんと3発。そのうち2発は17番ホール。あの17番もねぇ、あれはないよ。

 17番ホールはほんと言わせてもらうけど、あれはひどい。あのピンの位置ははっきりいって意地悪なほうだね。グリーンの手前が強烈な砲台になってるのに加えて、あのホールロケーションでフェアウェイにきっちり打てるほど、みんなうまかないよ。

 フェアウェイに打てばいいじゃないかって言ったって、厳密に言うと、フェアウェイの左側3分の2は右に傾斜してるんだ。だから落ちた球が右にトントントンと転がっていく。その状況でフェアウェイに打つっていうと、例えばアイアンとかスプーンで打つ選手はそこそこフェアウェイに打つ可能性はあるかなという感じ。

 だけどアイアンとかスプーンでティーショットしたら、残りは6番アイアンとか7番アイアンという距離が残る。そうするとあの砲台グリーンで、奧へいったらめちゃくちゃ難しい、どうしようもない状況。でさらにそのピンが手前ギリギリのとこにあったから、それを6番や7番アイアンで打ったら、その間には止められない。

 ということはやっぱりドライバーでビシッと打って、セカンドを9番アイアンとか、そういうクラブで打つしか、あのピンに寄せられないんだ。まあ寄せられるっていうか、そういうクラブだったらまだ攻められる可能性はあるけどというところかな。

 で、ティーショットが左ラフに行ったら、金鍾徳選手じゃないけれど、もう何やってんだっていうようなセカンドショットで、低くどーんと転がしてバンカーの左側をころころころころ転がしていって、それでアプローチでパーをしのごうっていう、そういう狙いになっちゃう。

 あそこからどかーんと上にあげて、7番アイアンぐらいでちょっとフライヤーさせて、上にふーーと上げたって止まらないんだから。しかも奧からも強烈で、アプローチはもう寄りやしないような感じだし、そうしたら手前から5番か6番アイアンでトットットットと転がして、グリーン乗らないでもいいから、その手前からアプローチで寄せてパー取ったほうがいいって形になっちゃうよね。


(1999.6.5掲載)

あのカメラは何してんだ?

 その17番ホールでちょっと思ったんだ。あのホールにちょうど最終組がいる時だったかなぁ。あのね、ハンディカメラがいるんだ。グリーンの後ろ側に奧に、三脚で立ったカメラが1台いた。これははっきり覚えてる。グリーンの左奧に1台、三脚で立ってた。

 ということは、あの三脚ごと移動すれば、あの難しさを映せるわけだよね。なのに、あのカメラ使ってないんだ。あの傾斜、例えば東選手のアプローチがどれだけ難しかったか。あの難しさっていうのは、解説の高橋五月さんとゲスト解説の牧野裕選手、この2人が説明して難しいって言ってた。

 僕らそこでプレーしてきた人間には、それがすっごくわかるんだ。でも、あそこからの場面の映像は出てこない。いったいあのカメラは何してんだ?って感じだったね。あれをぽっと肩にかつぐショルダーカメラにして、だーーっと機動力を使えないのかなぁっていうふうに思っちゃったね。もうほんとにあの映像見た時に、動きなさいっていうふうに思った。

 あと、細川の16番ホールだったかな。彼がパットしようとしてるのに、70〜80センチの短いパーパットだったんだけど、だっと今シーズンの細川の成績ですとか、細かいデータがばっと画面に出るわけ。打つんだよ。インパクトしてるんだよ。7、80センチのパットだよ。それをインパクトして、途中までボールが転がってカップに入る直前に、その映像がぱっと消えてるわけだ。

 そんなのぜんぜん違う時に出せばいいよね。なんでそういうふうに、選手が打とうとしてる時にかぶらせるわけ? もう、僕もいいかげん言い疲れた、ほんとに。ことあるごとに言ってるんだけどね。なんで聞いてくれないんだろうって感じ。ほんと映像を送る側が聞く耳を持たなかったらダメだよね。

 僕宛にきた意見はほんとに今度持ってく。よみうりの終わった週かな。もうつきつけるから。これ西遊記の読者の代表として持ってくからね。


(1999.6.6掲載)

難易度の高さと意地悪の違い

 宇部の17番ホールの話が出たところでついでにこんな話を書いておきましょう。どういうピンが難易度が高くて、どういうのが意地悪なのか。

 意地の悪いピンの位置とか、難易度が高いっていうピンの位置の違いっていうのは、こう考えるといいかも知れない。1つはっきりわかりやすいのは、傾斜にカップが切ってあってボールが止まらない。要するに打ったところに戻ってきちゃう。Uターンして戻ってきちゃうような、こういうところはまずツアーでは切らない。だからこういう意地悪さはないんだ。

 じゃあどういうのが意地悪かっていうと、例えばわかりやすく説明すると、じゃあこぶがいくつかありました、グリーンは硬く仕上げてありました、グリーンの状態はいいですという時に、そのこぶの向こう側にピンが切ってありました。でその奧はグリーンエッジから5メートルでOBですと。これはもう意地が悪いよね。

 要するにピンまで攻めたい、でもダウンヒルの傾斜にピンが切ってあって、その奧は池とか、あるいは強烈なバンカーだとか、OBだとか、こういうのは意地悪。でも僕は、そこにピンが切ってあってもまだ許せるケースっていうのがあると思うんだ。

 それはこぶじゃなくて、そこにフラットなスペースがある。だからよく言うんだけど、ピンを例えばグリーンエッジから3.5メートルのところに切ってもいいです。3メートルでもいいでしょう。でも必ずそのカップが切ってあるポイントにフラットなスペースがある。

 そのカップを中心に半径1メートル半、できれば2メートルだけど、1メートル半の範囲のフラットなスペースがある。それだったら、奧にピンが切ってあって、さらにその奧がバンカーでも池でもあるいはOBでもいいと思うんだ。


(1999.6.7掲載)

必ず攻めきれる

 日本のゴルフ場のグリーンっていうのは一時ポテトチップスみたいなグリーンが流行った。要するにやたらこぶが多いグリーン。でもそういうグリーンというのはほんとは、アメリカのTPCを衛星中継で見てもらえればわかるように、ポテトチップスの中に必ずフラットなスペースがあるんだ。でそこにピンが切ってある。マスターズもそうだけどね。

 ところが日本のバブルの頃にゴルフ場作ったオーナーの人達っていうのは、やはりネームバリュー、その有名設計家に頼んで、アメリカのように起伏のあるグリーンを作ってくれと頼んだんだね。その起伏という言葉で、本当のスペースがある起伏と、まったくない、要するにただこぶをいっぱいくっつけたグリーンになってしまった。そういうふうにして仕上げた、作り上げたグリーンとの差が今出ちゃってるね。

 だからこないだのツインフィールズなんかでも、これは書いたと思うんだけど、ほんとに惜しいんだ。あれだけいいグリーンで仕上がって、ほんとにコーナーコーナーにピンが切ってあったのに、で・き・れ・ば、あのカップの周辺1メートル半がフラットなスペースに近いものであれば、もっともっとよかったなぁっていう気がするんだよね。

 だから意地悪なピンの位置っていうのはそういうことであって、難易度が高いっていうのは必ず攻めきれるんだ。攻めきれるっていうのかな・・・例えば半径1メートル半だから、カップを中心に3メートルのだいたいフラットに近いスペースがあるとするよね。

 僕が言ってるのは定規でフラットにするような真っ平ってことじゃなくて、フラットに近いっていう意味で捉えてほしいんだけど、フラットに近いスペースがあるとする。カップを中心に3メートル。そういう攻めていける場所、物理的に止められる場所があるかないかだと思うんだ。


(1999.6.8掲載)

運試しになっちゃう

 グリーンを狙う時に、例えばすごいフォローの風が吹いてたとするよね。あるいはあまりにも危険が多くてその3メートルのフラットなスペースのところに打っていけない。あるいは5番6番以上の長いアイアンを使わなきゃいけないからそこに打っていけなかったとする。そうすると段の下になるよね。

 でも段の下8メートルでも10メートルでも、段であれば、ナイスパットをすれば入る。そうしたら必ずそのカップに向かって入れていこうという気持ちが起こる。ところがそれが段ではなくてこぶであったら、これはもう一か八かっていうか、出たとこ勝負っていうか、運試しみたいになっちゃう。こぶのてっぺんから2転がりすればそのマウンドの途中に切ってあるカップにも寄るかも知れないし、入るかも知れない、でもとんでもなく転がってしまうかも知れない。

 でも8メートル10メートルのパットを、山のてっぺんで、回転1つ2つあるいはその山のてっぺんから2転がりすれば、カップに入るような球っていうのは打てないわけだね、実際。ところがその段を上がっていって、おおよそフラットに近いスペースが1メートル半でもあれば、そこに距離を合わすことができるんだ。

 だからマスターズは、あれだけ難易度が高いグリーンなのに、やっぱりすばらしい1パットが起こり得るんだ。フラットに近いスペースがあるから。あるいは太平洋VISAマスターズをやる太平洋クラブ御殿場がなぜすばらしいかっていうのは、やっぱりフラットに近いスペースがあるんだ。だからパッティングで自分の力量を問えるというのかな。だからあそこのゴルフ場だと1つも意地悪だなというピンは感じない。それが難しいピンと、意地悪なピンっていうことの違いだね。

 だからほんとツインフィールズは正しかった。これはほんと正しかったっていうことに偽りはないし、よかったと思うんだけど、もしこの次にあそこで大会をやるんだったら、ぜひゴルフ場のオーナーの方が、フラットに近いスペースをいくつか作らないと、ピンの位置が切れなくなっちゃう。だからそれを感じてほしいなぁっていうふうにちょっと思ったね。


(1999.6.9掲載)

気合い入ってるなぁ

 西遊記の読者のみなさん、できるだけ体調を壊さないようにしてくださいね。風邪とか、いろんな面で体調壊すと何事もきついからね。僕も日本プロから宇部まで体が重かった。それがけっこうきつくて、ほんとにショットにもキレがなくて、宇部では6発もOB打っちゃうし、ほんとに体調の大切さを感じました。

 さて、三菱米山君の初優勝の話をしよう。あの時はほんとに3日目終わった時のコメントとか最終日の朝のスタート前のコメントを、新聞のインタビューの話とかで聞いたんだけど、そんなに消極的でいいのかよっていうようなコメントしてたよね。

 でも、みんなどんなことを口では言ってようと、内心はやっぱり優勝を狙ってないということはありえないから、あぁなるほどそういうふうにして自分を追いつめない、そういうのも作戦なんだなっていう感じがしたね。

 で久しぶりにすごく長いプレーオフだった。でもほんとにいいゴルフしてたからよかったねぇ。やっぱりティーショットがしっかりしてたし、特にプレーオフになる前の15番ホールで、細川君がすごくいいセカンドショットを打って、OKバーディだったよね。で米山君がフェアウェイから左にはずして、うわーこれピンチかなぁっていう感じだった。

 その15番ホールで追いつかれて、次の16番ホールで細川選手が先に打ってピンの右サイドに、もうほとんどピンストレートにぴたりとつけてきた時、それにも負けないようなショットを打ってきたから、あぁこれ気合い入ってるなぁって思ったね。で、その気合いに応えられるだけのコンディションだなぁっていう感じがしたね。


(1999.6.10掲載)

内容がよくなければ運はこない

 三菱最終日の16番ホールで米山君細川君はタイだったよね。で、17番ホールを見た時、細川君に若干の分があるかなっていうような感じだった。

 どちらかというと米山選手っていうのはドローをあんまり得意としない選手ということもあって、15番ホールで並ばれた時に6:4でまあ持ち玉からいったら細川君のほうがこの先のホールは分があるかなっていうふうにちょっと思ったんだ。

 ただ米山君にすごく幸運だったっていうのは、17番ホールは右からフック目のフォローの風が吹いてたんだね。16、17、18、特に15番ホールからそうなんだけど、全部右からのフォロー、要するにフック目の風が吹いてるから、そういう点では非常に運があったね。だからこれがやっぱり見えない、勝負のあやっていうかな。

 だから17番ホールなんかでも、普通ちょいとフェードでいくとやっぱりジャンボがいったラフに入っちゃうパターンだけど、あれがきれいにドローが入ってきたっていうのは風の味方もあった。

 でセカンドは、彼は細川君より若干飛ばないから、それが先に打つことになって、ほんとにあれもすごくいいショットだったね。あの4番アイアンのショットがピンの手前、イーグルチャンスについた。逆にあれが細川君のほうが先に打つようだったら、まあ勝負の駆け引きというかあやというか、あそこまできれいに打てたかなというのが若干あったね。

 でもどっちにしても実際の勝負に、そんなことがどのぐらい影響してるかって言えば、影響してるようでしてないかも知れないし、してないようでしてるかも知れない。どっちにしても内容がよくなければそういう運その物もこないわけだし、だからやはり見ててあぁ運っていうのは自分で呼び込むんだなぁと思ったね。

 だから彼が努力してまあ去年の途中からすごくいいゴルフしてて、優勝できそうでできないことも何回かあったけど、やっぱりそうやってた成果っていうのが運を呼び込んだんだろうね。


(1999.6.11掲載)

そこからのがんばりが違うもの

 昨日はトミーチャレンジ第2戦が東松苑でありました。なんかうちの家内がおたよりコーナーに賞金をもらわない参加って書いてたけど、いろんな選手とも話をして、今回から僕も一選手として賞金もいただく参加にしました。それでなぜかっていうと、ここんところのチャレンジのほうの成績見てもらうとわかるんだけど、オーバーパーが多いんだ。

 オブザーバー参加で、参考って記録ってなると、もちろん真剣にはやってるんだけど、本当にいちばん底から真剣なのかっていうと、いやぁ〜???って疑問符がついちゃう。だからなんか非常に実験をしやすいような、なんか身になってるのかなってないのかわかんないぞって感じになってる。

 でもチャレンジに出てきてる選手は、中嶋プロが出てるんだったら全力でそれを負かしたいと思うわけだね。そうすると中嶋プロとしては全力で戦って初めて彼らに、あっこのぐらいの自分のがんばりで中嶋プロとこのぐらいの差なんだっていうことを測ってもらえるわけだ。そういう点ではやっぱりこちらも全力であたらないといけない。

 でそこにはやっぱり、プロとして本能的な、賞金というものに非常にこだわる物っていうものが、どっか本質的な性質の中に入ってるんだろうね。それで今回からそう宣言して出てった。事務局の了解も取って、選手の了解も取って、これからはともかく、まずは自分のために一選手として参加すると。それがイコール、参加してるミニツアーの選手のためにもなるんだからってことで宣言して出たんだ。

 で1番ホールのロング、いきなりボギーなんだ(苦笑) 左の池に入ってね。うわーと思ったんだけど、で・も・そこからのがんばりが違うもの(笑) もうそこから6バーディですよ。

 今回は普段パー5の18番ホールをパー4に変えてやってたんで、パーは71。でスコアは5アンダーで、惜しくも1ストローク差で優勝には届かなかったんだけど、単独2位で久しぶりの上位フィニッシュでした(笑)


(1999.6.12掲載)

やりました!って感じだったね

 今回のチャレンジの優勝は田中大君っていって、ジャンボのところにいる研修生なんだけど、彼が65で優勝。彼はいままでも何回も参加してるんだけど、すごく大波があるというか、例えば前半悪くて後半いい、前半良くて後半悪いとか、前半のあるホールで8とか9とかそういうスコア打ったかと思うと、その午後に6バーディ取るとかね。

 確かウィンターシリーズの第1戦のスカイウェイの時も参加したんだけど、あの時強風だったんだ。でもその強風の中ですごいバーディを取ってるわけ。取ってはいるんだけど、それ以上の大叩きをするから、優勝に届かなかった。でも今回はなんかすごく晴れやかな顔でやりました!って感じだったね。

 まあ今回いちばん感じたのは、出場してる選手ってのはやっぱり一段とまた緊張感を持ってるってことだね。ほんとにこれで中継ホールがあって、ギャラリースタンドがあって、ギャラリー広場でもあったら、ほんとのトーナメントだよなぁっていう感じぐらい、そのぐらいよかったね。

 ただ11番ホールと12番ホールで4、5組つかえちゃって、そこでちょっと運営面の悪さが出たかな。だからそのへんは事務局の反省点なんだけど、やはり詰まるホールっていうのは予測できたわけだから、これはやっぱり詰まらない方法を取れるはずだったね。だからそこを事務局の反省点としてしっかりやらなきゃいかんぞっていう話をしたんだ。

 で中嶋本人としてはチャレンジの前日と当日の2日間、井上君にきてもらって集中的にレッスンを受けた。アプローチの課題がここんとこずいぶんあったんだ。グリーンをはずすとアプローチが悪いからスコアを崩す。だからグリーンを狙うショットがどうしても憶病になってくる。ピンのサイドが狙えない。外れるとボギーになるからね。

 だからついついセカンドが憶病憶病って感じだったんだけど、そのへんを井上君に話して、アプローチのレッスンを受けて、それからセットアップの方法が、少し腕を振りにくいセットアップになってるってことで、そのへんをレッスンで直したんだ。


(1999.6.13掲載)

ジャンボなりのアドバイス

 先週の仙台は、今年の中ではゴルフは悪かった。ただし、パターがよくなってきた。これは三菱の時にジャンボとパッティングの話をしてたんだけど、感性が鈍ってきたんだから、その鈍ってきた感性をいくら呼び起こそうとしてもダメだから、ああじゃないかこうじゃないかって、ジャンボなりのアドバイスっていうのがあったんだ。

 そんなシビアなパターを使うなってことで、そんなのもう使えないんだから、鈍感なパターを使ったほうがいいんじゃないかと。それからパターの変更だとか、まあ今度Golf Todayに出てくると思うんで、それを読んでいただければわかると思うんだけどね。

 三菱自動車の水曜日のプロアマで、たまたまジャンボと練習グリーンであったんだ。まあプロアマではジャンボがたまたま後ろの組だったんだけど、最近のショートゲーム、特にパッティングの問題っていうのをトミーが抱えてる問題っていうのをジャンボもある程度を知ってるし、まあ頭の中に入ってたと思うんだ。

 で練習グリーンで、まあパターしながらその話になったんだ。僕は34インチぐらいの短いパターを使ってて、スイングウェートもD2ぐらいの軽いやつでパッティングをしてたんだけど、若い時みたいに感性がないのにそんなに低く構えて、こんなパターじゃダメだろうっていう話になった。

 でやっぱり入らないんだけどねぇなんて言ったら、これはもうやっぱり若くて感性豊かな、要するに指先のタッチとかがすごくシャープな時だったらいいけど、やっぱりもう感性がないんだから、そんなにデリケートなシャープなパター使ったってダメだっていうわけ。

 でちょっと自分のパターを打ってみろということで、ジャンボがパター貸してくれて、ちょっと練習グリーンで転がしたんだけど、すっごく重たいんだ。E0ぐらいある。で長さが35インチと4分の3。だからけっこう長い、で重たい。

 しかもグリップがめっちゃくちゃ太いんだ。特に左手。左手の特に小指薬指、まあ中指まではかかってこないんだけど、要するに上、いちばんてっぺん3、4センチがものすごい太い。でそこから要するに逆三角形と言えばいいかな。そういうグリップなんだね。


(1999.6.14掲載)

どうにもできないよって感じ

 ジャンボが打たせてくれたパターは、長くて重くて、グリップが太い。まあ極端に言えばそういうようなイメージのようなパターだったんけど、ちょっとこれで打ってごらんって言うから打ってみた。そうしたら、重いし、太いし、長いしで、要するにもうパターまかせなんだ。自分の手で頭で考えてああだこうだっていうことができない。

 あまりにもノー感じっていうのかな。こんなに重くて太くてじゃどうにもできないよっていうような感じ。逆にそのぐらいのパターを使って、ノー感じにして打たないとダメだと。感性がなくなってきたらノー感じのパターのほうがいいっていうことだったのね。

 で、いつも自分のパターやクラブの相談をしている、ミズノのワークショップの女部田君っていう、チャーリーっていうニックネームの人がいるんだけど、彼が一緒に練習ラウンドとか本番にしても必ずついてきて、いろいろとこうクラブに関しての注文を聞いたり微調整をしたりしてくれるんだ。で、たまたまその場にもいたんで、彼にも持たせて、こういうパターじゃなきゃダメだっていう話をした。で、彼もすっごいなぁっていう感じなんだ。

 でとにかくこれと同じような感じで1本作ってくれっていうことで、プロアマの最初のハーフ、折り返すまでに作ってくれっていうことで作りに行ってもらった。で2本作ってきたんだけど、どうもヘッドの形がいまいちなんで、このタイプじゃなくて違うタイプのやつがあるでしょう、ピンパターに少しかまぼこが入ったようなパターなんだけど、それをじゃあ作ってきてくれっていうことになった。

 結果的に最初8番ホールで作ってきたんだけど、それじゃあダメだってことで、大至急戻って、で折り返して11番ホールで間にあったのね。でそこから使い始めたんだけど、もうグリップもどの程度削っていいかわからなかったから、グリップがジャンボのより倍ぐらい太さで、もうなんていうかバットのグリップじゃなくて、頭の打つほう、打つほうを持ってパターをするような感じなんだ。すっごく太いんだ、とにかく。

 まあそれでパターをやり始めて、でプロアマだからつっかえつっかえ、前の組がいるからどうしてもグリーン上でパターの練習してると後ろのジャンボの組が来るんだよね。でグリーンで練習しながら、このぐらいの感じでグリップをもう少しこういうふうにしたほうがいいって感じで、すごくアドバイスをしてくれたんだ。

 でラウンドが終わってまた18番ホールのグリーンで5分ぐらいかなぁ。いろいろやって、女部田君も交えて、こういう調整をしたほうがいいっていうことで調整し直して、グリップも少し細くして。細くっていっても今までのより倍ぐらい太い感じなんだけど、まあそれで1本パターができたんだ。


(1999.6.15掲載)

よし、このパターでいい!

 三菱はとにかくその作ったパターでやってみようということで試合に入った。で前半の9ホールまですっごい雨と風だったんだよね。で10番のセカンド打った時点で中断なんだから。

 こればかりはプロゴルフ人生とか、あるいは現役生活を全部均せば、まったく逆の思いもしてるんだけどね。いやぁ午前中の組はかわいそうだなぁとか、あるいは午後の組はかわいそうだなぁとか。実際去年の土佐カントリーで試合があった時は、サスペンデッドになって次の日朝早くからどうのこうのとかやってたけど、あの時は僕はいいほうだったからね。サスペンデッドにもあわなかったし。だから単純に去年と今年考えただけでも、なーんだこれでちょうど五分と五分だなって感じかな。

 で話を戻すと、10番ホールからスタートしたんだけど、カラオケ行くと「北の猟場」っていうのがあるでしょ。北島三郎さんが歌ってるんだけど、その北の猟場みたいに、10番ホールのフェアウェイ、ラフ、もう全部雨の波しぶきがたってるわけ。すごかったんだから。

 10番ホールはミドルホールなんだ。まあ、ロングホールのところをティーグラウンドを前にしてパー4にしてるんだけど、サードショットがまだ80ヤードぐらい残ってるんだ。でそこでサードショットの時点で中断。

 中断して1時間半経って行ったんだけど、妙に風がなくっちゃったんだ。ここね、午後の組はそこでミドルアイアンでセカンドショット打ってるんだよ。こっちはサードショットが80ヤードも残ってるのに、午後の組は4番アイアンとか5番アイアンとかでセカンド打ってた。こーれはすごいことだったね。でまあそれでも10番ホールはボギー。まあこれはしょうがない3オンだからね。

 その後17番ホールでバーディ取って、折り返して2番ホールでバーディ取って1アンダーになった。その時のトップが3アンダーだったから7位だったんだ。よし、このパターでいい!って感じだったのね。久しぶりにこっれは、普通のグリップをして、普通のスタンスで、これはこれから先、明るい兆しだぞっていう感じが非常にあった。よしよしって感じだったんだけど・・・途中で頼みのアイアンが乗らなくなっちゃったんだよねぇ。


(1999.6.16掲載)

終わってみたら100何位

 ティーショットはフェアウェイに行ったり、まあラフでもほんのちょっと入ったぐらいで、ドライバーからすると他のクラブに、俺はティーショットとしては役目は果たしてるぞ、アイアンさん頼むぞって感じなんだ。でアイアンがグリーン外れちゃう。

 で6番7番、9番ホールと、ほんとにいいところに打っておきながらボギーなんだよね。まあ7番はショートホールだったんだけど、なんでこうなるんだろうなぁって感じ。で結局3オーバー。上の3ホール以外でも4番のショートホールで、5番アイアンで打って、右手前にショートしてバンカーに入ってボギーだったんだ。で3オーバーになっちゃった。

 その日、午後からはすごくいい天気で、だいたいスタートする前の雨と風がすごい時は、出場選手が笑いまくってるぐらいすごい天気だったんだ。もうあきれてるというかね。今日は3オーバーぐらいだったら上出来だなぁなんていうことをみんなで話してた。3オーバーぐらいだったら30位以内に入ってるなぁって感じだった。ところが終わってみたら100何位になっちゃって、ありゃ?って感じ。

 まあ昨日も書いたけど、1年やってればこういう幸不幸もあるけど、とにかく何か収穫がありそうだから、最後までがんばろうっていう感じで2日目も出てった。2日目も同じようにパター注意して、再度微調整して出てったんだけど、けっこう期待に応えられるっていう雰囲気は出てきてた。

 ただやっぱりアイアンがちょっとブレるというのがあったんだ。これは専門的になっちゃうかも知れないんだけど、技術的に少し自分自身で感じてたことがあった。カメラマンの南条さんっていう人がほとんど毎試合に近い感じで、分解写真を好意的に撮ってくれるんだ。個人的にね。

 で分解写真を撮って、次の週の試合の会場で、これ先週の撮ったやつですよって言って渡してくれる。ほんとにすごくありがたいんだ。で、その分解写真をいろいろ見ると、すごく気になる点が1カ所あるんだね。


(1999.6.17掲載)

腕が振れるか振れないか

 昨日書いた気になる点というのは、ダウンスイングで開きが強いんだ。要するに体が開く。下半身が開く。だからどうしてもクラブの軌道っていうのが、フェイス面にしてもそうだし、体が開けばフェイス面が開いたまんま返ってこない。返りやすくなる。で開けば当然軌道も自分が思ってるよりもアウトインになるわけだね。だからアウトインになればスライスになりやすい。フェイスが開いてないんだから。

 逆にそれをフェイスを直角にしてったら左に飛ぶわけだね。フェイスを調節していったら、軌道は自分が思ってるよりもアウトインになるから、左に飛ぶわけだ。だからこの西遊記の中でも1、2週間前にどっかで書いたことがあると思うんだけど、自分が狙ってるよりもちょっと左にひっかかるというようなことを書いたと思うだ。

 自分でよく打つとピンの左何ヤードかに飛んでってしまう。でそれをいやがるとピンの右にスライスしてしまうっていうパターンが何回かあった。だから宇部の時もちょっとスライスして、自分で考えるところがあったから、井上君とそろそろかなっていうところでリリースの問題をやった。

 で宇部の2日目その成果が出たって書いた記憶があるんだけど、でもその元の根本っていうのはなんなんだろうっていうことになってくると、やはり腕が振れるか振れないかっていうことになってくるんだ。腕が振れれば自然にリリースはいい形でできるんだけど、腕が振れなければリリースはできない。

 要するに腕がきれいに振れれば、自然にインパクト付近でリリースするのが起こるんだけど、腕が振れなければリリースが起こらないで、フェイスが開いたままになっちゃう。でじゃあなぜ腕が振れないのかっていうことになってくると、下半身の開きが早くなってくるからそういうふうになってくるわけだね。

 これはなぜそういうふうに結論できたかっていうと、まず分解写真を見て自分のスイングを分析してみた時、あっこの部分でこれだけ下半身が開いてていいのかな、ちょっと開きすぎじゃないかなって思うところがあるんだ。いろんな方向から撮ってくれてるから、スタンスの向きとかいろんなチェックをすると、疑問符がいくつかつくところがあるんだ。


(1999.6.18掲載)

扇風機とゴルフスイング

 たまたま自分の書斎にあった古い本で、今から15、6年前の月刊パーゴルフの付録雑誌なんだけど、戸田藤一郎さんのちょっとした付録がついてたんだ。でそれを読んでたら、自分の悩んでたところのポイントが書いてあったんだ。

 右足の使い方とか、腕の振りだとか、スタンスのことだとか、グリップのことだとか、もういろんなこと、いま井上君とやってることも含めて、これは共通してるこれも共通してる、あっここがこうなんだ、これが自分にとっていま足らないところなんだっていうのが、ぽんぽんと出てきたんだ。

 でそれがちょうど三菱が始まる前の月曜日だったんだ。宇部終わって帰ってきて、月曜日にたまたまその書斎の本を引っぱり出したらそういうのがあって、で練習して、それで三菱に行ってやってみた。そしたら、やっぱり開いてた。その対処方法をやったら、体が窮屈だったからね。

 体が窮屈ってことは、腕が振れるわけだ。逆に腕が振れるようになってくる。こう考えるといいかな。扇風機を首振りにするよね。で首振りにした場合に扇風機の上が動くと。要するに90度だったら90度の角度で首が振られる。120度だったら120度の範囲で首が振られてて、みんなに風がいくようになるよね。

 ところがその扇風機の下に回転台をつけたらどうなるか。あるいは扇風機の下に滑りやすい油をひいておいたら、扇風機の風っていうのは来ないよね。下が動いちゃったら、上は動かないよね。逆に言えば、下がしっかりしてるから上が動くわけだ。ということは、ゴルフのスイングもそうなんだよね。


(1999.6.19掲載)

遠慮なく声をかけて

 スイングの土台っていうのをつきつめて考えれば、腕を振るからその土台がどう動くかっていうことになってくるよね。だから土台のことを考えて、土台の動かし方を考える人は多いけど、扇風機の羽根が回って風がくるために土台がどうしたらいいかっていうふうに、要するに発想がどんどんどんどん変わってしまった。土台のほうばっかり考えるようになってしまった。

 ということは、扇風機の土台をがっちりと止めたら、もし扇風機が人間的な感覚を持ってるとしたら窮屈だって感じると思う。いままでぐらぐらぐらぐら、あるいはぐるぐるぐるぐる土台が動けてたのに、その土台を止められちゃったら窮屈だよね。

 でも上はきれいに回れるよ。だから自分の体が開くっていうことは、土台が動いてるっていうことで、決して有効な扇風機の効果を発してるわけじゃないんだよね。これは大発見だった。だから、予選落っこちてがっかりしてると思ったら大間違い。これだっていうね、ここに1つ大きな間違いがあったんだって発見できたからね。

 さて、最近ちょっと技術論に走りすぎてるね。あまりにもああだこうだが多すぎて(苦笑) やっぱりこの西遊記は、けっこう中身が濃いから同じところで止まっちゃうんだよね。だからまだ続きとかあるんだけど、そろそろ中休みにしておたよりコーナーの質問に答えたいと思うから、質問をどんどんしてきてください。

 さて、まずは一昨日もらった質問に答えましょう。さとうさんだったかな。雨の日のああいう中断の時、プロはどういうふうに思われてるんですかっていう質問があったよね。その答としては、中止になるってことはこれっぽっちも思っちゃいけないってことだね。なぜかっていうと、中止になると思ってて再開になったらすごくショックなんだ。

 まあショックって言ったら変なんだけど、体と心の準備ができない。だから顔では笑って、非常にリラックスはしてはいるんだけど、心の中の半分以上は、いつ再開になってもいいように準備はしてるってことだね。

 ただし、そういう時に誰とも会話できないのかっていうとそんなことないから、もしそういう時に声を掛けるんだったら、遠慮なく声をかけてください。選手は緊張しつつも、その中断の時間を楽しんでるといったほうが正解です。


(1999.6.20掲載)

一貫してやり遂げることが大事

 今週はちょっと休みました。月曜日にちょっと扁桃腺が腫れて、でまあやりたいトレーニングもあったし、ちょっと休みました。関西のみんなにはちょっと悪いことしちゃったけど、代わりにの応援でも行ってあげてください。亨しっかりやらないと家のローン払えないぞって言ってやって。がんばれぇってみんなで応援してあげてね。予定通り来週のミズノは万全でがんばります。

 さて、今日もメールでいただいた質問に答えましょう。若松さんの質問。仙台の時の15番ホール、長いバンカーショットのときの方法というか、どういうふうに打ってるんですかっていう質問があったんだけど、長いバンカーショットっていうのは、やっぱり普段から練習しないとうまく打てない。

 プロもアマも練習してない物っていうのは絶対できない。プロといえども絶対できない。だからできるだけ練習をしておくっていうのがすごく大事なことだし、練習があるからあのショットができるっていうのを覚えておいてほしい。

 で、あの時の心境としては、距離はけっこう長かったけど、やや大きめのスイングをすれば届くっていうような感じだったから、ボールの位置を若干いつもより右目にして、右足寄りにしてフェイスをかぶせて、バックスイングを普段の時よりも大きく取ったと。あとはそれで届くっていうことを信じなきゃいけない。

 逆にトップすると思えばダフっちゃうから、トップするとかダフるとかそういう気持ち、そういう不安を持たないっていうことが大事。持たないっていうことはどうしたらいいかって言ったら、そういう気持ちを持つっていうことは、いろんなことを考えることによってボールまでの距離感っていうのがぼやけてしまうから、ボールに対してしっかりと目線を整えていく。

 要するにボールに対しての集中力を高めておいて、フェイスを閉じて、ボールを右足寄り、大きなスイングをすれば届く、そういうふうに感じをつかんでいって、そのキーポイントを気をつけて打つってことだね。そして決して振りが鈍くなったり、途中で中断したり、途中で躊躇したりしないこと。決めたスイングを最初から最後まで一貫してやり遂げるってことが大事です。


(1999.6.21掲載)

パーがごほうび

 しっかし全米オープン、すっごいねぇ。横尾もがんばってるよね。3日目終わった時のインタビューでは、もう最悪でしたなんて言ってたけど、最悪じゃないよね。周りのプレーを見せてあげたいよ、君がいかにがんばってるかって。周りの選手はもうパーがバーディ、パーがもうごほうびだってみんな言ってるからね。

 それにしても誰が勝つんだろ。今日の天気は雨と風だって言ってるから、3日目終わった段階では1アンダーがトップだけど、この時点で5、6オーバーの選手まではチャンスあるなって思うね。最低でも5オーバーまではチャンスがある。

 だって、ジョニー・ミラーが63だか65だか最終日に出して全米オープン優勝したでしょ。そういうことだってありえるからね。例えば5オーバーの選手が最終日65を出したら5アンダーでイーブン。66で4アンダーで1オーバー。で、ペイン・スチュアートが1アンダーから1オーバー打たないっていう保証はないでしょ。ということはやっぱり5オーバーぐらいまでは絶対チャンスがあるね。

 で、これを読んでから、もしテレビを見る人がいたら、注意して見てもらいたいんだけど、タイガーでもデュバールでも、上の選手はほとんどそうだけど、トップスイングにいった時に、シャフトと飛球線のラインが合うんだよね。これはよく注目してたほうがいいよ。シャフトと飛球線ラインが平行線になって、フェイスがそんなにオープンになってないんだ。

 フェイスがオープンになってると、今度はそのフェイスを返さなきゃいけない動きがあるから球がつかまえにくいんだけど、みんなトップにいった時に、シャフトが飛球線ライン、そしてフェイスが45度付近をキープしてるんだね。これがやっぱり曲がらないよな、これだったらなっていうのが出てるね。

 まあある意味でフェイスラインをできるだけシャットに保つっていうのは、ほとんど選手がそうだけど、左手がストロンググリップになってるから、これでできる。これがストロングじゃなくて、日本で言われるスクエアグリップだと、フェイスがもっともっとオープンになってしまう。だからアメリカ選手のスクエアグリップっていうのは、左手のナックルで言えば、完全に3本は見えるね。

 デュバールみたいに4本見えると、45度以上シャットになってくるから、ますます体を止めて使わない。だから顔の向きが早く上がってくっていうのも、体を止めない、要するに肩の回転がブロックしないようにするためにやってるんだね。それはやっぱりトップで45度のフェイスを越えるぐらいのシャットになってるから、そういう点で振り抜きの良さを意識して作らなきゃいけなかったんだろうね。

 またこんな話してると技術論に走ってちゃうからここらで止めておこう(笑)


(1999.6.22掲載)

2メートル四方

 すごかったねぇ、全米オープン。ほんとに見てて、こんなところで4日間やったらたぶん1年分疲れちゃうなって感じだったね。ゴルフチャンネルでインタビューやってたんだけど、タイガーのインタビューとか、スチュアートのインタビューとかいろんな選手のを3、4人やってた。

 そのなかでタイガーがどのぐらいの難しさですか?グリーンに乗せるのにどのぐらいの正確性が必要ですか?って質問されてて、そしたら彼の答は2メートル四方だって。2メートル四方にスピンの利いた球を打たないと、寄らない、止まらないって言うんだ。もう寄るとか寄らないとかじゃなくて、グリーンに乗らないんだって。そのぐらい難しい。

 ほんとすごいよね。だからピンの位置がフェアだとかアンフェアだとかっていう言葉があるよね。ピンの位置がどうのこうのとか。でも普通のトーナメントでいちばん難しいピンの位置が全米オープンではいちばんやさしい位置だって。そのぐらいみんながすごいすごいって言ってるから、ほんとにすごいんだろうなぁ。

 こないだ書いたけど、2、3メートル四方の、要するにあの時の言葉ではフラットって書いたけど、まったく物理的なフラットじゃなくて、要するにフラットに見える、傾斜があっても漠然とだけどフラットとして言える部分が、ピンの周りに1.5メートルずつ、だから長さにして3メートルぐらいあればいいって書いたけど、全米オープンになるとそれが1メートル切るぐらいだね、あれ。

 でグリーンの端に落ちたボールはみんな出てっちゃうもんね。バンカーとかアプローチだって出てっちゃうわ、戻っちゃうわで、ほんとにすごいや。なんでそんなとこからだぁ!っていう感じだったよね。

 それでまた映像がうまいんだ。その撮り方がね。やっぱりそのアメリカっていうのは映像の社会っていうか、スポーツでもほんとにいい映像を撮るっていうか、うわーこんなに難しいショットするの!?っていうのを随所に見せてくれるよね。


(1999.6.23掲載)

手に取るようにわかるすごさ

 毎日すごいというばかりになっちゃうんだけど、いやぁでもほんとすごかったね、全米オープン。もうやっぱりあのスチュアートの最後のパット。あの後涙出ちゃったね。いやほんとに泣くっていうんじゃなくて、じわっときちゃった。

 あそこまで耐えて耐えて、要するに全米オープンに、その会場に1アンダーで勝ったという、俺は頂点に立った!という、それも頂点に立っただけじゃなくて、参加者全員の仇を討ったというか、なんかほんとすごかったねぇ。

 でも最後の17、18番ホールのミケルソンとのパットの差だけだったね。ああいうゲームはすばらしいわ。でそのゲームその物もすばらしいけど、映像がやっぱりすごい。見たいところに手が届く。かゆいところに手が届く。

 例えばミケルソンのボールがコロコロコロコロ転がってくるのを、カメラマンがほんとにもうそのボールの転がってくところを予測できるように下がってく。もうカメラマンが止まったらぶつかっちゃう。あるいはタイガーが17番ホールで左のバンカーに入れたけど、もうすぐ後にそのボールのアップがすっと映ってくる。Titliestのナンバー7番。しかも砂にまみれて。もう手に取るようにわかる。これはすごいよね。

 やっぱりそのゲームもすばらしいし、映像もすばらしいし、やっぱりあれを見たら、他のテレビ中継は見られないよ。あの18番ホール見た? キャディの顔を抱えて、ミケルソンの顔を抱えて、もうスチュアートの呼吸が伝わってくるような、感動と興奮が手に取るようにわかるすごさ。ほんとにすごかった。

 ほんとにいいゲームだったよね。僕はほんと、あそこに出てた選手、特に優勝争いしてた選手全員に拍手を贈りたいね。

 ぜひこの読者の人、西遊記のファンに、全米オープンの感想なんかを聞かせてもらえたらすごいなぁ、うれしいなと思うんだ。よかったらメール送ってくださいね。


(1999.6.24掲載)

王手!

 全米オープンは結果から見れば、16番ホールのスチュアートのパットが優勝に対しての大きな一歩だったね。あれがなかったらミケルソンいったと思う。まあミケルソンっていうか、誰がいったかわからないけど、少なくともあの16番ホールのあの長〜いパットを決めた、あれがやっぱりペイン・スチュアートの王手!って感じだったね。

 でそれが、次のショートホールのスーパーショット、あれにつながったんだろうね。それを見てまたミケルソンがそこに乗せてきますか!?っていうところに乗せてきたよね。あれもすごかった。

 でもミケルソンの16、17番ホールの、ちょっとひっかかったミスパット、あれがやっぱり優勝に対する詰めの一手を間違ったっていうか、ほんと将棋で言うと、羽生さんと谷川名人の勝負じゃないけど、その詰めの一手の間違い。そんな感じに見えたね。

 だからあれが逆に、ミケルソンが若干遠くて先に決めてたら、スチュアートがああやって16番で決められたのかな?っていうのはある。でもそれは、どっちが近くつくか、どっちが遠くつくかっていうのはもう、そこで考えてるわけじゃないからね。

 メジャートーナメントっていうのは誰がつけたかわからない(*1)。当然そのUSGAが、あるいはマスターズ委員会が、あるいはR&Aがつけたわけじゃない。USPGAがつけたわけでもない。私達はメジャーですっていって出発したわけじゃない。でもいつの間にかそれがメジャーって呼ばれるようになった。

 振り返れば、やっぱりマスターズでのあの場面、全英オープンでのあの場面、全米オープンでのあの場面っていうのはもうぽんぽんぽんぽん出てくる。でもそこにいくと、じゃあTPCは何があったんだ、じゃあ何々トーナメントは何があったんだって言われても、ゴルフファンが全員がぽんと出てくるような場面っていうのはあるかなと。やっぱりそこにメジャーとメジャーじゃない試合の差が出るね。今回もほんとに、まあ去年もすごかったけど、今回はほんとにすごかった。やっぱりメジャーだわ。

 

(*1)私の記憶が正しければ、確かアーノルド・パーマーが現在の4試合をメジャーとしようという提唱をし、それから4大メジャーと呼ばれることになったはずです。(友の会 清水)


(1999.6.25掲載)

切実な願い

 しかしあれでプレーオフになってたらミケルソンはどうしただろうね。奥さんが産気づいちゃったら、子供が生まれますってなったら、彼はどんな状況でも飛んで帰るって言ってたよね。プライベートジェットを飛行場に待たせてあって、文字どおり飛んで帰ると。

 それにしてもプライベートジェットを飛行場に待たせてあるっていう選手がたくさんいるんだよね。アメリカツアーってプライベートジェット持ってる選手って何人いるんだろう。まあミケルソンはチャーターしてるから借りてるんだろうけど、プライベートジェット持ってる、あるいはプライベートジェットと言わなくてもプライベートエアプレイン、要するにプロペラまで含めたら相当いると思うね。でまた、自分で操縦して帰るんだよね、彼は。こっちはヘリコプターだって操縦できないってのに(苦笑)

 いやぁでもこればっかりだけど、すごかったなぁ。メジャーってほんとにメジャーだよね。見てる側もメジャーだと思って見るからかも知れないけど、やっぱりメジャーって映像的にもすごい。もうね、テレビの前で感動してました。

 ただね、ほんとにもうしわけないんだけど、音声切ってました(苦笑) 4人は多いです。そう思いません? こういってはなんですけど、あれを例えば、森下さん青木さんだけでやってもらいたかった。4人は多いよ。もっとシーンとした感じで見たかったね。

 だから途中で音を消しちゃうんだ。ただそうすると何がつまらないかって、歓声と打った音が聞こえない。こないだそれこそ月曜日に政策委員会であったんだけど、例えば日本オープンなんかの放送で副音声があるよね。あれでショットの音だけ取ったらどうかと。ショットの音とギャラリーの歓声だけにしてみたらっていう話も出たんだけどね。

 全部消しちゃうと音が聞こえない、要するにショットだとか歓声だとかのメリハリがなくなってしまう。だから結局つけちゃうんだけど、僕としてはもう初めてゴルフファンがテレビ中継に対する、なんていうか切実な願いっていうのがわかったね。

 アメリカの放送はけっこう静かなんだけど、あれは2人でやってるからだね。向こうはジョニー・ミラーともう1人と。4人もいると代わる代わるしゃべっちゃう。そしてそれが場面と関係ないことになるからよけいだね。ほんとこれも課題にしておこうね。課題といえば、テレビ中継に関する意見どんどん送ってください。まーだ清水さんまとめてくれないんで、今回の政策委員会に間に合わなかったんだけど、まとめてもらったら持っていきますから。


(1999.6.26掲載)

なんておいしいんだ

 今回全米オープンをやったパインハーストぐらいのセッティングだと、見てる側にしても、ボギーでも素直に拍手出せるよね。このショットがいかに難しいか。乗るだけでも極端に言えば拍手ができるし、ほんとボギーでもダボでもしょうがない、やむを得ない、ナイスボギー、ナイスオンっていう声がかけられるかも知れない。この難しさっていうのがけた違いに難しく思えるから、そういうふうにできるだろうと思えるんだ。

 でも日本のトーナメントで言うと、バーディをのがしてパーだと、なんだパーか、っていう感じなんだね。なんかパーっていうその物の価値が低くなっちゃう。例えばこないだの日本プロみたいに、パーを取るのに苦労するようなトーナメント、あるいは日本オープンみたいにパーを取るっていうこと自体が難しい、要するに優勝スコアがイーブンパーレベル近くなればなるほど、見ててもおもしろい。好ゲームになりやすい。まあ“好ゲーム=好映像”とは言わないけどね。

 だから映像的にはもっともっとテレビ局の人にはアメリカの映像を見て勉強してもらいたいし、そういう点ではまだ、野球で言えばクリーンナップが打たなかったら絶対負けちゃうっていう試合でしかないんだ。

 要するに好ゲームがあれば視聴率は取れる。でも好ゲームがなかったら視聴率は取れない。要するにいいネームといいゲームがなければ視聴率は取れない。これじゃいけないと思うんだ。例えば3、4、5番のクリーンナップがケガで欠場してたとしても勝てる。これがいい監督だよね。またはいい球団というかな。

 やっぱり映像部門の人達はそういうことまで考えないといけない。そういう点では、アメリカっていうのは映像的にクリーンナップがいなくても点数が取れるような映像を撮るよね。

 ましてやそこにビッグネームがきた日には、もうよだれだらだらの状態になっちゃうよね。だって今回だって、ペイン・スチュアートミケルソンタイガーデュバールも来てた。もうなんておいしいんだって感じだったよね。


(1999.6.27掲載)

セッティングの柔軟性

 全米オープンのそのセッティングのすごさっていうのを今回見たね。アメリカにはああいうトーナメント、ああいうコースがうじゃうじゃあるんだよね。左右OBで、ほんともうフェアウェイに縮こまって打つようなコースばっかりじゃないんだよね。やっぱり打てる。

 あれだけ長いコースだからラフを短くする。あれだけ長いコースだからフェアウェイもぱっと広くする。その柔軟性っていうのがすごいよね。今の道具だったら多少長くて480ヤードぐらいでも選手は余裕で届く。でもそこがグリーンの硬さとグリーン周りのカッティングの仕方であれだけ難しくなる。

 マニュアル通りじゃないけどマニュアルがあるというとこかな。こういうコースだったらこういうふうにグリーンの硬さを仕上げれば、当然このぐらいの難易度になるから、フェアウェイはこのぐらいにしよう、でもそれだけではいけないからグリーンの周りのカッティングを刈り高を下げようとかね。

 ところが日本になると、例えばティーから200ヤードから250ヤードはフェアウェイ何ヤードの幅、250ヤードから300ヤードまでは何ヤードの幅、そういうふうに、いままでがこうだったから、去年こうだったからと、要するに柔軟性がない。例えばこのホールだったらこういうフェアウェイの幅、ラフの刈り高、それからグリーン周りの仕上げ方、そういう感じで全部が柔軟であってほしいよね。

 だからあまりにも四角四面、杓子定規じゃなくて、もっとクッションを持ちながら難易度を上げていく。そういう方法をこれからどんどんどんどん、やっぱりツアーの人達もそうだし、やっぱり勉強していかないといけないだろうね。ほんとに今回見てて、いやぁこういうセッティングをする全米オープンはだてに来年で100回じゃないやって気がするね。とにかくすべての面がすごいね。


(1999.6.28掲載)

お疲れさん

 そういえば全米オープンってどうしてあんなにロープの中に人が多いんだろうね? マスターズだとほんとプレーヤーとキャディだけだよね。あとたまにいてそのホールの競技委員の人が背広着てぽつんといるだけ。

 でも今回の全米オープン見てたら、18番ホールにペイン・スチュアートフィル・ミケルソンの組が来た時、グリーンの手前からグリーンを映してたんだけど、フェアウェイとラフの中に警官が4、5人立ってるんだ。で当然テレビのラウンドレポーター、日本もそうだけど、羽川選手とか青木さんも入ってたけど、アメリカの人も入ってる。集音マイクも入ってる。たくさん入ってるわけだ。

 だからなんか見てると、ある意味で大名行列みたいな感じで、どーーーーといくっていうか、お祭りのような感じっていうか。そこいくとマスターズはラウンドレポーターも入れないし、まあせいぜいテレビのカメラと集音マイク、この2人ぐらいしか入れないよね。そういう点ではダントツにフェアウェイの中が静かっていう違いを感じたね。

 今回ジャンボは予選落ちしてしまったわけだけど、海外のメジャーに52歳になって、ワールドランキングの50位に入って、イギリスもマスターズもこうやって自力で出てるわけだよね。そういう点でやっぱりすごいなと思うんだ。まぎれもなく52歳で、自力で出ていくっていうのはもう、これは世界広しと言えどもジャンボしかいない。

 実際そうだよね。50歳過ぎて出てるのは、ニクラスみたいにマスターズの歴代チャンピオンで出るとか、ゲーリー・プレーヤーみたいに出るっていうのはあっても、例えば全英にしても全米オープンにしても招待出場じゃない。ジャンボも招待ではあるけれど、ワールドランキング50位以内に入ってる50歳過ぎってはたしているのかなって考えると、実際彼だけじゃないかな。

 そう考えるとそれだけでもすごいんだけど、ただ正直に考えて、そのマスターズとか全米オープンで勝つっていうところに届く、要するに優勝まで届くのは無理だとは思う。それだけの消耗に耐えられないと思うんだ。要するに感覚的な消耗、それから肉体的な消耗。

 今回の全米オープンなんか見ててもわかるけど、どんどんどん選手が疲労してくよね。ホールを回っていくうちにナイスショット、あるいはトラブル、いろんなものに対して、あらゆる自分の感覚・体力・感性、いろんなものを総動員して戦っていくわけだけど、見るからに消耗しくよね。もうあれには4日間は耐えられないと思うんだ。

 でもむしろ52歳になって、行って、やってきたことに対して、お疲れさんって言ってあげるのが僕の気持ちだね。


(1999.6.29掲載)

誰か飛び込みそうな……

 さて今週末は屋形船だね。ちょうどフィランスロピーがなくなった週だからちょうどいいなと。なくなったことがいいって言ってるんじゃなくて、休みの週だからいいってことだからね。勘違いしないでね。

 ちょっと料金は高いかなぁ。ゴルフなんか最近地方に行ったら8000円ぐらいでできるんだからねぇ。でもまあ料理がついてるからしょうがないか。5000円ぐらいでできないかなと思ったんだけどなぁ。

 こないだ内田さんといろいろ釣りの話をしたんだけど、結局さびきでこませはやめようって話になったんだ。臭いから(苦笑) だからオキアミをつけて手釣りでやろうっていう話なんだ。でも釣りができるってのがうれしいね。でも釣れるかどうかわからないっていうのがさみしいけど。

 どっちにしても子供が十何人じゃどうにもなんないだろうねぇ。頼みますよ、奥様方、しっかりと子供を監視してくださいね。楽しみながらもお願いします。子供にはライフジャケットつけておいたほうがいいよ(笑) あと酔っぱらった人にもね。いっとくけど、大トラは乗船禁止だからね。タイガーはダメだからね。でもなんだか誰か飛び込みそうな気がするんだけど・・・。

 清水さんの話だと、なんか40人ぐらいになるんだっていうことでにぎやかにやりましょう。こっちは10人ちょっとかな。でこないだパーゴルフゴルフトゥデイの人間にも声掛けたんだ。そしたら、いいんですか?っていうからいいよいいよって。なんかうれしそうな顔してたよ。ひょっとしたら雑誌に載っちゃうかも知れないね。

 当日は前に書いたと思うんだけど、オーガスタでスコッティ・キャメロンからもらったパター、これをお披露目します。でその後キャメロンに送り返します。合わなかったら返していいからってことになってたから、これで返そうと思ってるんだ。


(1999.6.30掲載)

クラブフェイスの入り方

 久しぶりに西遊記見てる人にアドバイスをしよう。アプローチが上手になる練習方法。それは8番アイアン1本で、できれば人工芝じゃないほうがいいんだけど、やむを得なかったら人工芝でしょうがないけど、8番アイアンでいろんな高さ、たかーいボールとかひくーいボールとかを打ってください。

 低いボールは意識して打たなくていいけど、まあ距離はキャリーで10〜15ヤード。20ヤード以上は打たない。トータルでいって止まるまでで30ヤードぐらいまでのアプローチ。止まるまでの距離が20〜30ヤードのアプローチをして、8番アイアンで高いピッチングウェッジぐらいの高さが出る球、それから普通の球。この練習をたくさんしてください。

 高い球は当然少しスライススピンかかるけどね。球を左に置いてフェイスを開くからスライス回転かかるけど、8番アイアンで高いボールから普通の高さ、やや低めまで打てると、けっこうアプローチのクラブフェイスの入り方っていうのがそれでよくなる。

 8番アイアンでだいたいピッチングの高さを出したり、8番アイアンからピッチングまでの高さをいろいろ打ち分けてみる。そうすると球の位置を変えたりフェイスの向きを変えたりしないと打てないから、球を右に置きすぎるとアプローチも出だしが強くなっちゃうんで距離感を合わせるのが難しいから、左側に置いて、ぽーん、ぽーんと普通に軽い放物線を描いていくようにすると、スピンがかかったりかかんなかったり、出だしがきゅっと早く、出球が早くなったりしないから、非常に安定したボールが出るようになるんだ。

 でも、それ以上にクラブフェイスにボールがのっかってく感じがつかむことができるし、少しクラブフェイスの入り方っていうのが、ゆっくり当たる分だけ手にくる。あっこういう入り方なんだなっていう、手にくる感覚がよくなってくる。ぜひやってみてください。

 また機会があったらまたレッスンをしますね。僕のほうは先週予選落ちだったけど、とにかくがんばりますから心配しないでください。それよりみなさんの自分自身のゴルフの心配をしましょうということで(苦笑)