バックナンバー(1999.3)


 

(1999.3.1掲載)

マスターズの解説

 リニューアル後、最初の西遊記・・・どうしようかねぇ、マスターズストーリーは。実はあんなに反響があるとは思ってなかったんだよね(苦笑) 最初はぜんぜん反響がなかったから、このまま無事に2ホールで終われるかなぁと思ったら、なんか、掲載し始めてしばらくしてからだんだん、楽しみにしてますとかいうような反響が出てきたから、うわぁ〜どうしよ?って感じになっちゃったよ。

 そうそう、なんで始めたんですかっていうメールが来てたけど、あの中で書いた通り、要するにみんなを連れてオーガスタのロープの中を回ってみたいという気持ちがあったんだ。まあそれを1つの答としてもらいましょう。

 で実は、今年、マスターズの解説を頼まれてるんだ。でも石井さんのように、それを最後の最後まで仕事としてやってた方なんかもいるわけだし、自分には解説なんておこがましいからって、ここ数年ずっと断ってたんだ。

 ましてや僕の場合、西遊記の読者のみなさんはわかると思うんだけど、見ると聞くとじゃ大違いというところがあるよね。一見固そうなイメージで見られがちなんだけど、その実は「だよね」というような言い方をすると。だけど、解説となると「ですよね」とかそういう言葉を使っていかないといけない。そうするとなんかだんだんわけがわからなくなっちゃって、何言ってるんだかわからないとか言われたらいやだなぁとか、まあそういうこともあってずっと断ってたんだ。

 でも自分がゴルフの世界に入ったというのは、やはり子供の頃に見たマスターズだったわけだし、このへんで恩返しといってはなんだけど、マスターズに関してはやってみようかなぁと思ってるんだ。周りも、マスターズでアンダーを出したり、優勝争いをしたりしたのは僕だけなんだからって、一生懸命説得してくるんだよね。そういう日本人は中嶋だけなんだから頼むよぉ、みたいな感じでね(苦笑)


(1999.3.2掲載)

マスターズが僕を育ててくれた

 マスターズの解説は、なんていうか、ほんとにもう逃げ場がないって感じですよ(苦笑) まな板の鯉になりたくないっていうのに、まな板の鯉どころか、どっか人気のないところに逃げていきたいっていう感じ。打ち合わせなんかしてみてもやっぱりこれはたいへんだねぇ。

 で僕自身がやっぱり、解説で生きようっていう気持ちがないんだよね。だからよけいダメなんだ。自分自身が心のどこかで解説をやろうっていうふうになれば、自分を変えていけるんだろうけど、自分自身が解説をやろうっていう気になってない。

 僕はやっぱり選手として一生を終わりたい。だから自分が選手を終わる時、もう完全に自分が選手でなくなった時は、ブラウン管に出る側じゃなくて裏方に回りたい。それこそほんと、マスターズに行って優勝を狙えるような選手を育てたいとか、そういう方向になりたいんだ。だからブラウン管に映って解説でああだこうだ言うっていう気持ちはないんだ。

 ただ昨日もちらっと書いたけど、このホームページでやはり言っておきたい言葉なんだけど、僕は中学高校と、特に中学の時かな、マスターズのテレビ中継を見て、そして僕の父親もマスターズに出るっていうのがでずっとやってきたこともあって、ほんとそういう点では、マスターズがなかったら、自分自身が今のようなゴルファーにはなれてなかったと思うんだ。

 仮にもやっぱりAONって言われた人間にはなれなかったと思う。そういう点で、マスターズっていうのは自分自身をほんとに育ててくれた大会であるし、ある意味ではマスターズに対して恩返しをしなければいけないなっていうふうに思うことも事実なんだよね。


(1999.3.3掲載)

プレッシャー以外の何物でもない

 解説者として自分が評価されたいために、マスターズの解説をするっていう気持ちはないんだ。そうじゃなくて、昨日書いたように、恩返しがしたいんだね。

 僕が中学の時に見たマスターズ中継。15番ホールでニクラスが1番アイアンでセカンドショットして2オンしたシーンや、16番のながーーいショートホールで、その時は右の奧にピンが切ってあって、乗ったのが下の段で十何メートル、その長いパットを入れて飛び上がって喜んでたシーン。そのパットで、ジョニー・ミラートム・ワイスコフを振り切って優勝したシーンだとか、そういうシーンが頭に焼き付いてるんだよね。

 もうその日は学校に行っても、その興奮っていうのが続いててね。学校の授業を受けてても、先生の話なんて上の空なんだから(笑) やっぱりあのきれいな緑のマスターズの残像が残っちゃって、黒板さえももう緑色に、グリーンに見えちゃうぐらいだったからねぇ。

 そういう点で、なんか自分がそういう気持ちになってゴルフをやってきたんだから、恩返ししなきゃいけないのかなっていうふうに思ってる。ただそれだけなんだ。

 僕は思うんだけど、例えば青木さんみたいなすばらしい解説っていうのはできないと思う。青木さんの解説はやっぱりすごいもんね。見てて非常にわかりやすいし、普通の解説者の捉え方とぜんぜん違うから見てて新鮮だし、いい意味でユニーク。青木さんはそういうものを感じさせてもらえるからいいんだけど、僕なんかは今回が解説をするのが初めてだしね。

 だからほんとのところ、プレッシャー以外の何物でもないんだけど、ほんとそれで自分のやることが役に立つんだったら、それはそれで光栄だし、恩返しのつもりでやってもいいかなっていうふうに思ってるんだ。


(1999.3.4掲載)

解説の難易度が高いトーナメント

 このオフは、新しいツアーの問題やらトレーニングやらで忙しい上に、マスターズの解説の話があって、もう体が3つほしいよ、ほんとに。これじゃ練習量が少なくなっちゃうよ(苦笑)

 それはともかくとして、マスターズの解説でどういうところを伝えたいかっていうことが自分自身の中でまだ整理されきってないんだ。例えばゲームなのか、それともオーガスタというコースのことなのか、歴史なのか、あるいはそのブラウン管で見られない部分、みんなが見るブラウン管外のことなのか。

 いろんなことを考えるんだけど、やっぱり僕が思うに、コースだと思うんだよね。オーガスタのコースを、みんなが歩いてるような感じで解説できたらなぁって思うんだ。ある意味ではカメラっていうのは、ロープの中に入れる唯一のギャラリーだから、そういう点でそれをうまく見せてあげられたり、伝えてあげられたらなぁって思うんだけど、いかんせん難しい。

 なぜかっていうと、1つには、USオープンや他のトーナメントみたいに、ロープの中に入っていけない。フェアウェイを横切って、芝生をなでたり、ターフの跡を見せたりっていうことができない。こればかりはいくら取材陣、あるいは報道のテレビコメンテーターとはいっても、大会中はロープの中に入れないんだ。

 ここんとこだけはどうしようもできないことだね。特に日本のTBSのように映像をもらってるテレビ局ではどうにもならないし、だからちょっとその辺で他のトーナメントよりも、はるかに解説の難易度が高いトーナメントだね。

 せっかくだからここで、僕が解説するにあたってどんなことを聞きたいかをメールで送ってもらえるといいな。ただし、一言つけ加えておくと、みなさんの期待に応えられるかどうかは保証できません(笑)


(1999.3.5掲載)

28にチャレンジ

 こないだ、といっても1カ月以上前なんだけど、いいスコアが出たんだ。今、格段にゴルフがよくなってるんだけど、まあご存知の通り、井上君と二人三脚でいろいろやってきて、そのパズルが少しずつ解けてきたんだよね。

 この冬・・・冬っていうのは試合でのスコアを考えなくていいんだけど、シーズン中だとやりたいことをどうしても試合中だから、ちょっと程度を弱くしてやるわけだね。だけど冬場は、その思い切って直したい部分を直すことができるから、ほんとにすごい、劇的な発見っていうのがあるんだよ、あるんだ、あります(笑) 劇的な発見が出てくる。

 で2月1日の話なんだけど、セベのアウトコースを回ったんだ。で・・・1番バーディ、2番バーディ、3番バーディ、4番パー、5番バーディ、6番パー、7番バーディ、8番バーディと、6アンダーだ。それも長ーーいパットが入ったとか、そういうんじゃないんだ。

 もうUSツアーのテレビ中継を見てるわけじゃないけど、打って、ボールが止まったところにピンがあるって感じ。もう1ピンぐらいのがバンバン。でパッティングもよくなってるから、それが入ってね。

 で、最終の9番ホール。9番はロングホールなんだけど、まあ2オンしてバーディだったら29だ。でも29だったらいままで何回か出したことあるんで、今回は28を出したかったんだ。でちょうどデュバールが59を出したでしょ。最終のハーフで28を出してね。それがすっごく意識にあって、よし、ここもロングホールだから、最後イーグルを取って28にチャレンジしてみたいと思ったんだ。


(1999.3.6掲載)

そのセカンドがなんと!!

 28を出すにはこの9番ホールでイーグルを取らないといけない。でこの9番に来た頃には、ちょっと気温が寒くなってきてたんだ。2時ぐらいから回り始めたから、もう4時ぐらいになってたのかな。

 一緒に回ってる研修生達もプロ28狙ってくださいよって感じなんだよね。君たちに言われなくたって、もう28は狙ってるって(笑)

 9番のティーショット、がーーんとフェアウェイど真ん中にナイスショットを打った。もう2番アイアンかスプーンかっていう残りなんだ。若干アゲンストなんだけど、ピンは左目のやや真ん中ちょい奧にあって、バンカーの角が少しかかってくるんだけど、2番アイアンでドロー目か、スプーンでフェード目かっていうちょうどそういう距離。ピンまで240ヤードあるかないかっていうとこだね。

 ライは普通だったんで、よし、じゃあこれはスプーンでちょっとピンの左目からスピンのかかるボールでピンそばに落とそうと思ったんだ。2番アイアンじゃなくてスプーンを選んだ。そのほうがキャリーでピンのほうに行けるから、花道付近を利用しなくてもいいと思ったんだけど、そのセカンドがなんと!!・・・チョロでした(苦笑)

 もう全身からオーラが消えてくというか、パワーがもう消えていっちゃうというか、もうするするするーーって感じなのよ。うわ〜28がー!っていう感じ。

 で、サードショットだ。第3打。しょうがない、もう気を取り直して29を狙おうと。28はもったいなかったんだけど、これを入れるっていうのはもうちょっと無理だろうと。残りはまだ130ヤードぐらいあるんだ。で9番アイアンで打って、ピンの右2メートル半ぐらい、3メートルかなって感じについた。

 ちょっとフックラインなんだ。何回も回ってるからわかるんだけど、カップの右フチ狙いというところに乗ったんだ。ピンの真横、右1ピンちょいだから、ちょうどいいなぁって感じなんだ。ライン的にもグーだから、右フチ狙ってポンと打った。すーーーと転がって、もう完璧(笑) よし29だけは逃がさなかったぞと。

 そしたら最後スパイクマークにポンと跳ねられて、そのまま切れずに右のフチをペロンっていって、あっれぇ〜って感じで30(苦笑) なんだよ、20台も出なかったよ、しょうがないなぁ(苦笑) でもまた28にチャレンジするぞ。その後はまたいいゴルフができてるんで、今年は楽しみです。


(1999.3.7掲載)

秘かな目標

 トミーフレンドシップの時にVIGの伊藤さんから盲人ゴルフマニュアルをもらったんだけど、これはけっこう勉強になるね。あぁこういう感じなんだとかね。

 このマニュアルにはゴルフのことだけじゃなくて、視覚障害者の誘導の方法とかが書いてあるんだ。あぁそっかぁっていう感じがしたね。知らない人が誘導すると、なんか不安を持っちゃうんだろうなぁ。坂があるよとか、何々があるよって言ってもやっぱり、基本的には全部見えてる人間が言う言葉だしね。だから肘を持って歩くとか、クラブをひっぱったりする時に、ちょっとした歩くスピードの変化づけで随分違ってくるんだなぁとか、もっともっと勉強してみるとおもしろいと思うね。

 まああとは、伊藤さんにもっともっとうまくなってもらいたいんだ(笑) それがなんかちょっと目標って言ったら変なんだけど、僕自身の秘かな目標なんだ。伊藤さんにナイスショットをさせて、100ヤード以上、いや、150ヤードぐらい飛ばさせたいと思ってるんだ。

 さて、遅くなったけどトミーフレンドシップの話をしよう。今年は全般的に、みんなのプレーが落ちついてた。去年はいい意味で、それこそスタート前にみんなが集まらないぐらい気合いが入っちゃってたし、ロングホールでイーグルは出るわ、プロとせっかく回るんだからいいところ見せようっていうのがいいほうに影響した。

 で今年は、なんかこういい意味でちょっと逆に落ちついたっていうかな。そういう点で非常に自分としても回りやすかったし、それこそほんとに初めてじゃなくて今年で2回目だから、いい意味で落ちつけたという感じだったね。

 その分、逆に言うと、プレーの迫力が若干去年のほうがあったかなっていう感じはあったけど、でもそれは別にしょうがない問題だし、別にそれはそれでいいと思うんだ。それよりも、いい意味で落ちつけてよかったなぁと。これが第3回、第4回になるともっと各々が味のあるプレーを出してくるんじゃないかなと気がしたね。


(1999.3.8掲載)

よしよしって感じ

 トミーフレンドシップに関して市原さんから「うまくなった、上達したところを見せたかった」って書いてあるメールが来たんだけど、やっぱり1、2回で、特にアマチュアのゴルファーの人だと、どっちが本当の実力なんだかわからないというところがあるんだ。

 あっこういうふうにうまい時もあるんだろうな、今日はこれが実力なのかなとか、要するによくても実力だと思うし、悪くても実力だと思うから、この前と比べてうまくなったねというのが失礼にあたるかも知れないでしょ。この前がひどくて今がいい、もしくは普通だという場合ね。

 逆にこの前が普通で、今日がよかったら、それは誉めないのも変だけど、でもどっちがほんとの実力で、どっちが正しいレベルなのかがわからないから、誉めるに誉めようがない。だからこれが2回、3回と回るようになると、あっ、だいたいこの人はこういう感じが実力なんだってわかってくると思うんだ。

 そうしたらじゃあ、アプローチがよくなってきたねぇとか、ドライバーが、あぁこれぜんぜん前より飛ぶようになってきたよとか、そういう言葉が出てくるようになると思うんだけど、1、2回だと、どっちがほんとの実力だかわからないから評価できないっていうのが正直なところだね。

 まあでもほんと今年は、朝レッスンもできたし、レッスンをつけて、聞いてもらえてよかったよ。みんなが集まったから(苦笑) 15分しっかり聞いてくれたからね。あれがうれしかったね。またみんな自分の練習に走っちゃうのかなぁと思ってたんだけど、みんな耳をすませて聞いてたから、よしよしって感じだったね。

 で、その場にいなかった人にはオンラインレッスンとして、その場にいた人にはさらにプラスアルファを含めて、明日ちょっとグリップについて書いてみます。西遊記を見てる人だけにとっておきの・・・って言っても誰でも見られちゃうからなぁ(苦笑)


(1999.3.9掲載)

10ヤードは得するよ

 こないだ3連戦したんだ。大洗と希望丘というゴルフ場を回って、また大洗を回るという3連戦をしたんだけど、そのうちの後半の希望丘、それから大洗でのウィンターシリーズに井上君が来てくれてね。その時グリップに対するすごくいい変更があったんだ。昨日予告した話なんだけど、西遊記を見てる人がこれを参考にしたら、ひょっとしたら飛距離が10ヤードぐらい伸びるかも知れない。

 左手のグリップを、いつもよりもナックルが1つよけいに見えるように握ってください。いままで自分から見て2つ見えてた人は3つになるね。

 左手の甲をまっすぐ握手するように伸ばすとすると、左手の甲というのは垂直になるよね。これを時計の針で言うと、この状態を12時とすると、1時間、2時間、3時間で手の平が地面に対して水平になる。で、その12時の状態から手を右に傾けていって、2時ぐらいの方向にしてください。2時付近まで左手の甲をクローズにしてください。

 ここまではトミーフレンドシップの時に目の前でレッスンしたことだね。で、この次がミソなんだ。左手をこのようにしたら、グリップの角度に対してのボールの位置が変化しなければいけない。左手の甲を、そうやって時計回りに2時の方向にしたら、ボールの位置は普通にアドレスすると内側に入っちゃう。シャフトを持って2時の方向に向ければ、当然シャフトは右に傾いてくるよね。だけどこの時、球の位置はいままでと変えないようにする。

 レッスンの時は球の位置の話がなかったけど、この球の位置を変えないっていうのがミソなんだ。心持ち左に出すぐらいの気持ちでちょうど揃ってくる。だからイメージとしては、ボールの位置2つぐらい左をキープするような感じかな。そうするとすっごくいいよ。10ヤードは得すると思っていい。

 でもクラブを持って右に向けたらダメですよ。フェイスが開いちゃうから。2時の方向にしてからクラブを持ってね。


(1999.3.10掲載)

いい方向で収まった

 西遊記をリニューアルして10日。評判はどうなのかな。僕はすごくいいなぁと思ってるんだけどね。ちょっとチャレンジツアーのスポンサー名が変わるスピードが早いかなとも思ったけど、切り替わる時間は調節されたみたいだね。もう全体としてはグーだよ!って感じ。

 マスターズの解説への要望メールもいくつか来てるね。これはぜひ、ほんと声を大にして言いたいけど、どんなことを聞きたいか、ぜひおたよりをください。それを少しでも参考にして、自分の放送の足しに、プラスになればなって思ってます。

 やっぱりなんといっても、解説をやったことがないのにいきなりマスターズだから恐ろしいよ(苦笑) ましてや自分としては、もう一度選手で行きたいって思ってるから、なんか解説で行くのが、なんかすごくこう・・・なんかこう変な感じなんだ。

 さて、今週からいよいよシーズン開幕。このオフはこの解説のことなんかもあって忙しかったね。ツアーのこともあったしね。ほんと練習量が少なくなっちゃうよね。ツアーに関してはふいに予定が入ってきたりしてたんだ。こっちとしては、練習のスケジュールを立ててやってるんだけど、例えば来週のいついつ、3日後とか4日後とか、あるいは明日とか、ちょっと会議・ミーティング、そういういろんなことが、なんかわかんないけど突然入ってきたんだよねぇ。

 あの問題に関しては、自分達もPGAの会員であるわけだし、PGAっていう組織っていうものに対してはやはり愛着、それから歴史と伝統というものもあるわけだから、要するにいい関係、英語で言えばリレーションシップってやつだけど、そういうものを保っていきたいっていうのがみんなの一致する考えだったんだよね。

 で、こっち側が話し合いしようって言っていたのに、理事会でも説明を拒否されたとかそういういきさつがあったりしてね。でも、みんなで一生懸命やってね、ほんと向こうが歩みよってくれたし、なんとかいい方向に収まったからよかったよね。


(1999.3.11掲載)

ここからが大事

 結局シーズン開幕前に、日経カップ札幌とうきゅう、それからサンコーなくなっちゃったけど、それは実は、もう何年も前から噂されてたことなんだ。逆に言えば、もっと早くそうなってもおかしくなかったと。まあ今回の新しいツアーの発足で少しゴタゴタしたことが、引き金にはなったかも知れないけどね。

 でもそれよりも、残ってくれたところが残ってよかったというようなツアーになるのがいちばん大事なことだね。試合を開催することで経済的に負担があって、それでやめようっていうんだったら、それはもういままでの体制、いままでの組織としての努力の結果が足らなかったんだろうなっていうことにもなるよね。

 逆に言えば、スポンサーの人がやっててよかったとか、やりがいのあるトーナメントがいままでに作られてれば、やめようという選択肢の順位っていうはもっと低くって、もっとがんばってみようというふうに、スポンサーの人も思ったはずだよね。やりがいがあれば。

 だからそういう点では、いままでの体制っていうか、そういうものの1つの評価として、経済的な状況が苦しくなったからもうできないというような感じで、ストレートな判断で出てきちゃうんだと思う。だからこのゴタゴタが原因じゃなくて、むしろそれまでの組織的な評価がこのゴタゴタによって出たというようなもんだと思うけどね。

 まあそれはともかく、今は残ったトーナメントをしっかりやってく必要があるし、これは僕が個人的に思うことだけど、ここからがいちばん大切なところだと思うんだ。


(1999.3.12掲載)

選手の意識改革

 入れ物が変わった。要するに新しく日本ゴルフツアー機構というものになりました。でも極端に言えば出てる選手は一緒だよね。そこの役者っていうのは同じ。じゃあ何が変わるんだと。

 その変わったっていうほんとの評価、あるいは姿。これが変わるっていうことがいちばん大切なことだし、それを伝えるマスコミとか、あるいはメディア、中継のテレビ、放送するテレビ局とか、そういうものがほんとに変わらないと、姿として出てこないよね。変わった変わったっていうけど、相変わらず変わらないじゃないかというようなことじゃいけないと思うんだ。

 だからまあ1つの提案として、USツアーがやっているような、アグリメント、要するに同意書とか宣誓書みたいなものにサインをする。USツアーの場合、いろんな条文、例えばプロとしての権利、プロとしての義務、そういうものが網羅された書類に目を通して、それを理解した上でその書類にサインをし、提出して、翌年のツアー、あるいはその年のツアーに望んでいくわけだ。

 それと同じようなものをいま大至急作ってる作業の途中なんだけど、なるべく早く作って、そこでアグリメント、宣誓書みたいなものにサインをしようっていうことで動いてるんだ。

 そうすると結局、何がいちばん変わるかっていうと、選手の意識が大幅に変わるわけだね。システムは随分変わった。予選会のことも変わったし、いろんな意味で目に見える物、形の部分では変わってるんだけど、目に見えない選手の心の中も変えていかないといけない。

 要するに思考回路というものがもう少し変わってくると、見に来る人、あるいは見てる人にはっきりと変わって見えてくると思うんだ。


(1999.3.13掲載)

義務じゃなく権利が主張できるスタンス

 昨日書いた、選手の意識改革というのを少し具体的に書くと、例えば試合で65で回った選手がいるとする。その日65で回りました。初日でも2日目でも3日目でも最終日でもいいけど65で回ったと。でその65を出した選手に、インタビュールームから要請があったとしましょう。

 でもそういう時、いままでの某有名選手、まあ僕も含めてだけど、帰りの飛行機の時間があるからとか、あるいはちょっと練習の時間があるからちょっと待ってくれとか、あるいは今日はインタビュールームまで行かなくていいじゃないか、できれば立ち話で済ましてくれないかとか、たまたまそういう言葉が出てたことがあると思うんだ。

 で、65を出してインタビューに呼ばれて、インタビュールームに来てくれという要請があった場合、行かなければいけないという義務感を持ちなさいというように思われがちだけど、そうじゃない。

 65を出して、たまたま最終ホールボギーだったかも知れない。64のペースできて、最後ボギーで65になっちゃったかも知れない。なんとなく気分的に悔しくて、その1つのボギーでインタビュールームに行きたくないような、そういう状況だったとしても、行かなければいけないという義務として感じてもらうのはいいことではあるんだけど、本当はもっともっと深いところで変わって欲しいんだ。

 それはどういうことかというと、逆に、65を出したんだからインタビュールームに呼ばれる権利を持っているんだと。65を出してインタビュールームから要請があって行くのが義務じゃなくて、インタビュールームに呼ばれないんですかという、むしろ権利を主張できるような心、要するにスタンスに変わって欲しい。

 だからラウンド後にサインをするのは義務じゃなくて、ファンを獲得する権利でもあるわけだよね。そういう部分で選手がいちばん変わってくれると、ほんとに大きな変化が生まれると思う。僕はそこを変えない限り、ほんとの意味でのツアーの成熟っていうのはないと思うんだ。


(1999.3.14掲載)

プロスポーツとしての発展

 PGAからジャパンゴルフツアーという入れ物が変わったということで、少しずつ少しずつ選手の変化、あるいは意識改革が進んでくるだろうという認識もあるかも知れないけど、これだけ劇的な変化はソフトランディングとは決して言えない。ハードランディングだよね。

 でもツアーがハードランディングをしたのに、選手の意識改革がソフトランディングで進んでいくっていうのは、ちょっと言葉は悪いけど虫の良すぎる話だね。ツアーがハードランディングできたんだから、選手もソフトランディングではなく、ハードランディングでこの新機構に着陸していなければいけないわけだ。

 だから義務と権利を網羅された書類を見て、それにサイン・署名をして提出して、その年のツアーに臨んでいくって書いたけど、それは言い換えれば、義務と権利じゃなくて権利と権利なんだ。

 権利っていうのは、昨日も書いたように、ラウンド終了して、見に来てくれたファンに対してサインをする義務があるんじゃなくて、サインをしてファンを獲得する権利があるんだということ。

 そういうふうにほんとは選手の気持ちっていうのがポジティブなほうに変わってくれると、スポーツとしてものすごく発展していくんじゃないかなっていう気がするんだ。プロスポーツとしていままで以上に発展するし、言い換えればそういうトーナメントが増えることによって、スポンサーがやってよかったと思えるんじゃないかな。

 まあそういう方程式になっていってくれないかなっていうふうに思うんだ。


(1999.3.15掲載)

時代に応じた変化

 いよいよツアーが始まりました。これでまたたくさんの報告をするけれど、ぜひぜひその中でいい報告をしたいね、早いとこ。で、今回は・・・お疲れさまでしたぁ〜(苦笑)

 最終日はバーディ合戦を願ったんだけど、いかんせん全英オープンのような天気で、なんかひたすら耐えるようなゴルフになっちゃった。最終日、自分が思い描いていたような展開とはほんとかけ離れちゃって、もう自分にも天気にも恨めしい思いでいっぱいです。

 とりあえず東建の話はまた今度にするとして、昨日の話の続き。これはほんと誤解されないように取ってほしいんだけど、ある意味ではほんとにトーナメントを大事にやってこうとするスポンサーが残ってくれることがいちばんうれしい。やってもやんなくていいとか、今年もこんだけのお金がかかってるんだ、まあしょうがないか、つきあいでやってるから、いままでのからみもあるし、というようなトーナメントをやってるスポンサーっていうのは、もうしわけないけどいいトーナメントを作りにくいね。

 だからほんとにそのトーナメントを通じて、そのスポンサーが自社を広告できる、また自社のイメージがアップできる、そしてまた社会還元ができる、そういうことに対してほんとにやる気のあるスポンサーにトーナメントを支えてほしいし、そこに残って欲しい。

 開幕までに3つのトーナメントがなくなった。前からツアーチャンピオンシップっていうものを口にしてるんだけど、これが逆にそういうふうに抜けてくれることによって、いい時期に開催される可能性が出てきた。ツアーのための、ツアーの選手のための、要するにツアーの選手達のチャンピオンを決める、そういう大会ができるんじゃないかなっていう期待もあるね。それを開催するという方向に進んでいくと思う。

 それからもう1つ。いまの出場資格っていうのも、これから時代と共に見直される可能性があると思う。むしろ見直されないといけないし、時代のニーズに応えられるような、また、そして歴史と伝統を重んじながら、時代の必要に応じた変化っていうのは必要だよね。そういう点から言うと、2000年とか2001年とかいう、そういう段階になってほんとに変化できるんじゃないかなって思ってるんだ。


(1999.3.16掲載)

パットが届かない

 そういえば今年トミーチャレンジの話を書いてなかったね。3月まではウィンターシリーズということで3試合やりました。その第2戦、トミーフレンドシップの直後に東松苑でやったんだけど、雨でさ、もうすごく寒かったんだ。

 トミーフレンドシップに参加した人はわかると思うんだけど、グリーンがすごく早くなってたんだ。特に上から早かった。で、グリーンがあんまり早いから、前の日に水を撒いて、試合の日の朝にも水を撒いた。

 で水を撒いたら、今度は雨(苦笑) もうすんごい重たいんだ。東松苑でこんだけ重たい高麗グリーンは初めてだぞっていうぐらい重くて、パットが届かない。トミーフレンドシップなんかで、特に上からのパットの速さを知ってるから、よけいにぜんぜんショートばっかり。おかげで届かないで3パット3回とか・・・(苦笑)

 優勝が1アンダーだったからねぇ。難しかったよ。でも雨の中、参加した56名がもうみんな真剣にやりました。

 で、今月5日は大洗で第3戦。こないだも書いたけど、大洗・希望丘、でウィンターシリーズの大洗と3連戦しました。井上君が来てくれて、グリップに関してすごくいい変更があったって書いたよね。これがね、ほんとチョベリグーなんだよ。そんな言葉使うなってか(苦笑)

 ほんと、これいい方法だからぜひ試してみてください。


(1999.3.17掲載)

いいわけさせてもらえれば…

 大洗でのウィンターシリーズ第3戦は、西遊記友の会の内田さんと市原さんとあと2人・・・違う? 内田さん、小山さん、本橋さん、小倉さんの4人か(苦笑) その4人が手伝いに来てくれて、ほんと助かった。この場を借りてお礼を言います。

 で試合のほうだけど、あの大洗のコースで、風もそこそこあったんだ。16番、17番、18番ホールがアゲンストになる感じでかなり難しかった。その難易度の高いところで、69で樋口君っていうのが勝ったんだけど、なかなか豪華だったんだ。シード選手、何人いたと思う? でしょ、米山、鈴木亨、チャンド、それから裏シードで植田浩史。5人もいたんだから、ほんとすごかったよ。

 で、僕のスコアのほうだけど、後半が40・・・叩いたねぇ(苦笑) いやぁ、あれは、いいわけさせてもらえれば、やっぱり途中休憩が入るというのが原因かな。

 ウインターシリーズっていうのは一般営業のところに入って試合をやる。56人でやってもやっぱり一般営業の中でやる。そうするとハーフでお昼ご飯を食べるっていう時間ができちゃうんだ。だったら食べるなよ、競技なんだからっていうふうに言われるかも知れないけど、なんとなくみんなで中間の休憩時間に食堂で集まって、前半こうだったああだったっていうような話になるわけだね。

 でもちろん極力食べないようにしてる。だからその時も、おそばをちょこっと食べただけなんだけど、やっぱり食べ物がお腹に入って話をしちゃうっていうのは、まあ途切れるんだね。

 これでほんとビールでも飲んだら、まるでアマチュアのコンペだったね。まだみんな全員参加選手はお昼をちょこっと食べるだけで、ビールは飲んでないからいいんだけど、やっぱりそういう時間があると途切れちゃうということがあるね。


(1999.3.18掲載)

神様お願いしますよ

 昨日も間違えてたんだけど、市原さんって軍曹だったっけ? と書いてもオン・ザ・グリーンか友の会の人にしかわからない話だけど(苦笑)

 しかし市原さんと小山さんの混乱はどうしようもないね。厚木の小山さん軍曹は市原さん。あっそうそう、市原さんに謝っておかないとね、ほんとに。東西対抗の後の懇談会へ行くのに、市原さん1人コースに残ってもらって、2時間も待たせちゃって、ほんとにもうしわけなかったけど、ごめんごめん、ごめんなさいと。

 もう1回確認しよう。厚木の小山さん、軍曹の市原さん。そういえば根本さんって2人いたよね? 蝶ネクタイの人が根本さん。いつも写真撮ってくれる人。もう1人の根本さんって今年のトミーフレンドシップに来てたっけ? どうにもこうにも顔と名前が一致しないんだよねぇ。

 ほんとにますますゴルフのほうに脳味噌の中の生きてる細胞が使われちゃうから、人の顔と名前を覚える細胞はどんどんどんどん死滅してっちゃう。ほんと最後はどうしようかなと。病院入っていよいよになったら、あなた誰でしたかいね? 自分の家内によく似てるんですけど・・・なんてなったらどうしようかと思ってるんだ(苦笑)

 さて先週は、西遊記始まって以来の優勝報告になるかなって思ったんだけどね。とりあえず今週の静岡はほんと“こうてん”を望みます。“こうてん”ったっていいほうの好天で、荒れるほうの荒天じゃないぞと。神様お願いしますよって感じ。

 まあまた今週もがんばります。ほんとにいい報告ができるようにね。とりあえずは3日目終わった時にトップになってて・・・最終日雨で中止で優勝とかさ(苦笑) あるいは先に上がってて、後から上がってくる選手がボギー打って優勝とかさ(苦笑) とにかくいろんな方法で優勝というのはあるから、今年はとにかく優勝できるところに何十回もいたいね。


(1999.3.19掲載)

パットを右にはずす

 さて東建の話をしよう。先週は天気が悪い中、最終日最終組で出ていったけど、だからといってみんなが崩れるっていうことは願わなかった。自分が追いつけなかったっていう悔しさはあるけれど、それはそれで反省して、今週からまたぶつけたいと思ってます。

 実はスイングは、大洗のトミーチャレンジウィンターシリーズ3戦目の前日に仕上がったんだ。ほんとツアー開幕直前だった。そういう感じだったから、井上君もやっぱりそれなりに心配だったんだね。先週の最終日はコースまで来てくれたんだ。

 スイングは仕上がったんだけど、時間的にパッティングのほうまで見るっていう余裕もなかったし、実際は火曜水曜の練習ラウンドの中で、パターが悪いな、パターが悪いなっていうのがあったんだよね。

 それはどういうふうに悪いかっていうと、パッティングを右にはずす。例えば1メートルぐらいのちょっとスライスライン、あるいはまっすぐのラインでも、右にちょっと押してしまうっていうか、開いてしまうっていうか、そういうミスがけっこう多く出てたんだ。

 でそれを嫌がると必ず左にはずれる。だから自分で狙ったラインに対して、フェイスがきっちりと直角に入っていない。だからフェイスが1度か2度か開いて入ってくるから、球にスライス回転かかったり、あるいは右に出てったりして、カップの右端から入る。

 ほんとはそれで入っておかしくないのに、そういう感じで1、2度開いてることによって、右をなめたり、あるいはすり抜けてったりというパッティングが何回か出てたんだよね。


(1999.3.21掲載)

グリップの違和感

 ほんとにショットはよくなった。でもちょっと心配なのはパットなんだ。ショットに関して、左手をけっこう直したでしょ。トミーフレンドシップで教えたグリップの仕方、ここでもこないだ書いたけど、あれは自分が率先してやってる。

 ほんとにあれでショットは見違えるようによくなったんだけど、あのグリップからパッティングにいくのと、いままでのグリップからパッティングにいくのとでは、その差っていうのが大きくなるんだ。だから心持ちいままでのグリップと、新しいグリップ、その両方の方向からパッティンググリップにいくときの違和感っていうのが、いまのグリップのほうがちょっと多いんだよね。

 いまのグリップのほうがパッティングに対しては、パッティンググリップが前よりウィークに感じる。前のグリップよりこれちょっとウィークかなって気がする。かといって、パッティングはクラブヘッドが遅れるとか開くとかっていう、そういうボディスイングっていうか、大きなスイングじゃなくて小さなストロークだから、そのヘッドが遅れて開いてくるっていう感覚っていうか、そういうことは現実にはそれほどないわけだね。

 若干の開きっていうのはあるけれど、だけどそれはほんと左手の小指をしっかり持てばいいとか、右手の中指と左手の小指のグリップの位置関係をしっかり保つとか、そういう単純なことですぐ防げるんだけど、セッティングした時のその向きそのもの自体が、ちょっと違和感があるかなっていうのがちょっとあるんだ。


(1999.3.22掲載)

やっぱり右に外した

 モバイル端末買いました。これで遠征先に行ってもメールや西遊記が見られるね。つい1日2日前に発売されたやつで、泉谷君のやつより画面が大きいんだ。

 それはともかくとして昨日の続き。昨日書いたグリップの違和感っていうのは、東建の前の東西対抗の時からあったんだ。あの東西対抗の時、6番の短いミドルで高麗グリーンの真横から千春がアプローチして、2メートル半ぐらいの下りのバーディパットが残ったんだ。軽いフックラインだったんだけど、切れずに右を抜けた。要するに右だね。まあそんなに長いバーディパットじゃなかった。

 その次が、12番のパーパット。千春がティーショットをテンプラして、僕がセカンド長いクラブで右手前にのっけて、千春のファーストパットが1メートル半ぐらいショート。で、そのパットを右に外した。でその次のホールは僕がティーショット打って、千春が乗せて、5メートルぐらいのバーディチャンスを右に外した。

 で13番、15番、17番と、いいパットしたんだけど、18番で、ほんと60センチぐらいのパットを先にフィニッシュしてホールアウトしようとしたら、やっぱり右に外したんだ。やっぱり外したのは全部右なんだ。ひっかけ以外は全部右に外したと。

 ひっかけ以外が右に外れるってことは、両方外れてるんじゃないかっていうのとは違うんだ。ひっかけて左に外すのは当たり前だけど、自分でまっすぐ打ったつもりで右に外れてくっていうのは、これはおかしいわけだね。

 押し出して右に外れてるんだったらいい、読み違えて右に外すんだったらいいけど、打ち損じて右に外すっていうのは、フェイスが開いてる。だから逆にひっかけちゃうわけだね。つかまえにいくから。だからそのへんの違和感が、その時からちょっとあったかなぁという感じだね。


(1999.3.23掲載)

自分の居場所

 東建の最終日の感想を聞かせてくださいというメールがあったけど、自分が予想した通りかどうかっていうことで言えば、最終日最終組っていうのは予想よりははるかにいい位置だったっていうのは正直なところ。直前のパッティングのできだとか、オフシーズンにやってきたものも3月に入って、直前に仕上がった、直前に大改革が済んだような感じだったから、そういう点では予想よりはよかった。

 ただ1つ感じるのは、こういう言い方すると言い過ぎかも知れないけど、やっぱり居場所だよね。最終日の最終組っていうのは、あっなんかここが自分の居場所なんだっていう感じがあったね。だから非常に落ちつけたっていうか、そういう点ではあっここだっていうのがあったね。

 試合の初日2日3日目っていうのは、ミスを立て直すだけの時間的な余裕がある。立て直すっていうのかな。探りながらいくというのか。実際東建では3日目までに3回ぐらい3パット、しかもこれはしなくてもいいなっていうような距離から3回やったんだ。でそれがなんとなく自分の気持ちの中にもあったんだ。

 で最終日に、やっぱりああいう悪天候になってくるとバーディチャンスにつけるっていうのはよっぽどいい形でショットを打ってかないとつかないよね。実際ほんとに、風が強い時というのは、中途半端なショットははじかれちゃう。

 で前半の1番ホール、バーディチャンスのホールなんだけど、一度崖に落とした。だけどそこはフォローだからバーディが取れた。

 2番ホールは普通5番か4番、まあアゲンストでも4番アイアンっていう状況の中なんだけど、風が強くて雨も降ってたし、もう3番アイアンで打たなきゃピンまで届かないような状況だったんだ。で3番で打ったらすごい低い、低めのいい球が出たんだよね。でも球が良すぎて奧のエッジまでいっちゃった。で奧のエッジから8メートルから9メートルぐらいの下りのパットだったんだけど、それを70センチぐらいショート。その残りの下りの、ちょっとスライスラインのパットを右にこう押したっていうか、開いちゃった。その時、前日までの3パットのこともあって、あぁこういうパットはやりたくなかったなというのが残ったね。


(1999.3.24掲載)

苦しい展開の雰囲気

 東建の話がまだまだ続きます。昨日は2番まで書いたっけ。でまあその後、3番ホール4番ホールは、バーディなんとか取れそうなところにつけたんだ。4番ホールは2メートルぐらいの若干スライスライン。ほんとにきれいに打てばまっすぐでも入るラインなんだけど、これをまた1度2度開いてしまって、右のカップをぺろっといって、はずしてパーになってしまった。

 次の5番ホールのボギーは、セカンドショットが右手前のバンカーに入ってしまった。ティーグラウンドから見ると左がOBで、ティーショットはもう全体的に言えばそこでしょうがないっていうショット打ってラフだった。そこから166ヤードを5番アイアンで打って、アゲンストの中いい球打ってったんだ。それが若干届いてない。

 これは思ったより風が強かったっていう条件はあったんだけど、逆に向こう側から転がって、ボールが少し戻り気味でバンカーに入ったから、左足下がりのライに行っちゃった。で、ピンはグリーンの右手前だから、エッジからピンまでがそんなに距離がない。でもそこから3メートル弱ぐらいにつけたんだよね。

 パットは1番右、2番右、3番右、4番右というふうにはずしてきてるから、さすがにこれはつかまえたんだ。ライン的にはまっすぐのラインだったんだけど、ボールをこれ以上逃がさないっていうところがあって、逆に左にはずしてボギーだった。

 こういう前半のつまづきをしてちゃいかんぞとは思ったんだけど、そこまででやっぱり、今日は苦しい展開になるなぁっていう雰囲気があったんだよね。でも1打たりとも力は抜かなかったし、一生懸命やったんだけどね。


(1999.3.25掲載)

簡単なフェード

 これはゴルフの雑誌に書いてあったんだけど、智春ジャンボに、1球たりともドローを打とうなんて思うな、フェードをしっかり打てということを言われたらしいんだ。

 トーナメント会場というのは、特に左サイドをかわしてくというか、フェードを打ちやすいようなセッティングになっちゃうんだよね。だから実際問題智春に限らず、全選手がそのほうがスコアが作りやすい。そういうような状況になってくると、だんだんだんだんフェイスを開いて使ってくる。

 せっかくオフシーズンの間、シャフトプレーンとフェイスアングルについて井上君とずいぶん考えて、それなりに、あっこういうふうにやったらフェイスアングルとシャフトプレーンがよくなるということをつかんで、トーナメント会場に乗り込んでいったんだけど、1日2日3日とやるうちに、やはり安易な、簡単なフェードを打ってしまうんだね。だから東建から帰ってきてからの練習でも、やっぱりショットが若干右に切れることが多かったんだ。

 安易なフェードを打ってしまっていたことが結果的に、最終日にちょっと自分が思うフェードじゃなくて、ややスライスになっていってしまったというところがあったね。東建ではそれがいちばん出たのが17番のショートホール。17番はピンが左サイドで、右から若干アゲンストのイメージがあったんだけど、そこで6番アイアンを持って打ったんだけど右横にはずれちゃった。

 このショットはバックスイングを上げた時に本能的に、これはもう理屈じゃなくてほんと本能的に、このフェイスじゃ間に合わないっていう感じがしたんだよね。でその時にいや〜な、去年と同じ打ち方が出てしまったんだ。あっそうか、じゃこれはフェイスが間に合ってないんだというのがその17番ホールのミスショットが逆に言えば教えてくれた。これは先週発見したことと違うぞと。

 で18番ホールのティーショットの時に少し注意して打って、続くセカンドもうまく打てたんだけど、あっそうかやっぱりショットでは少し簡単なフェードを打ちすぎてたなというのが反省点になったね。


(1999.3.26掲載)

優勝に届くという実感

 東建の最終日はパット数が35パットも打ってたから、これがやっぱり課題というかな。これが30ストロークを切るぐらいのパッティングをしてけば、もう優勝に届くなっていう実感になってきてる。

 幸いなことに左手のイップスとかそういうパッティングに対しての悩みっていうんじゃなくて、やっぱりインパクトの時にフェイスのアングル、フェイス角度っていうのかな、それが目標に対してきっちり合ってない。そういうポイントだから、直し方は井上君がすぐ考えときます!って言ってたけどね。

 まあこのパット、若干ショットと関連してるところはあるね。ショットが左に行ってパッティングが右にはずれるっていうんじゃなくて、やはりこれはアマチュアの人も同じだと思うんだけど、比較的ショットを右にいかしちゃうっていう人は、パッティング、ショートパットでやっぱりその同じ傾向が出てくるような気がするね。

 さてこの後の予定は、今週試合やって、それでアメリカに行ってきます。ツアー復帰はキリンです。今年はつるやに出られないんで、関西の方はごめんなさい。ぜひトーナメント会場に来る人で西遊記見てる人がいたら、西遊記見てますよって一言言ってもらえればね、なんかほんとにこにこ顔で快進撃をするかも知れないよ(笑)

 あっ、オーガスタ行っても、おみやげは買ってきません。私そんな暇じゃありません(笑) 期待しないでね。おみやげ売ってるモールみたいなところ、そういうショップがあるんだ、駐車場のわきに。でもそんなとこまでは絶対行かないから、西遊記読者のみなさんに、おみやげを買ってくるなんてことは針の先ほども期待しないでください(笑)


(1999.3.27掲載)

いやぁたいへんだった(苦笑)

 なかなか話が東建から離れないんだけど、あと2回だけ(苦笑) まず祁答院の16番ホールの話ね。あのホール、2日目にワンオンしたけど、いやぁあれは怖いホールだ。練習ラウンドのプロアマでは、あそこでOBしてるんだよね。それもミスショットでOBじゃなくて、球が上がらなくてOBだったんだ。

 まあ上がらないっていうよりも、すっごい高い木があるから、ほんとに高い球を打っていかなきゃいけないんだ。で右から風がきてて、高い球打って、その250ヤード先にすっごい高い、樫の木みたいなおっきな木があるんだ。で当たり損なったらそこの木に当たってまた越えない。だからつかまえなきゃいけない、高く上げなきゃいけない、ラインも出さなきゃいけない、という感じでほんっとたいへんなんだ。

 同じようにドッグレッグしててワンオン狙うようなところ、和合の16番ホールみたいなところは、高く上げるっていうのはフェイスを開き目に使う。あの和合の16番っていうのは右に行く分にはOKなんだ。逆につかまって、低めに左に行ったらダメだけどね。でも祁答院の16番っていうのは右にいっちゃってもダメだし、つかまって左にいっちゃってもOB。

 右ドッグレッグで右の山越えだとしたら、普通は右に行くに従って障害物が高くなる。でもそうじゃなくて、右に行けば行くほど木は低くなるんだけど、OBが深くなってくるんだね。260ヤード以上飛ばないとOBを越えて木を越えていいとこに行かない。しかもスプーンで。

 じゃあちょっとでも余裕を持って左に打とうとしたら、そこには大きな木の森があると。だからどうしてもグリーンの方向に打とうとすると、その大きな森みたいな木の右に打たなきゃいけない。でも260〜270ヤード飛ばさなきゃいけない。ちょっと安全策を取ろうとすると、今度はものすごい高い木がある。となるといっそのことぜんぜん左にアイアンで刻んでいっちゃったほうがいいという感じだね。

 で2日目乗ったから、3日目はまだそのイメージが残ってるし、トライしてったんだけど、270ヤードも飛ぶようなスプーンのティーショットっていうのはそうそう出る球じゃないね。

 でやっぱりいくぶん自分の気持ちの中につかまえる動きっていうのかな、やっぱり不安感があって、それで10ヤードぐらいラインが左だったんだね。で中継を見てた人はわかると思うんだけど、飛びすぎちゃうとあそこに入っちゃうんだ。いやぁたいへんだった(苦笑)


(1999.3.28掲載)

谷口君のセカンドショット

 さて、東建の谷口君の話です。彼の最終日18番ホールのセカンドショットは、これは決してミスショットじゃなかった。ティーショットはミスショットだったけど、セカンドはあれはミスショットじゃない。

 あそこで彼は、風が左からのクロスでフォローではないと思ってたんだ。ところがグリーン上では完全に左からのフォローに入ってた。で若干台風の時の風に近くて、右左っていうか、若干方向が変わってたんだ。

 アゲンストっぽく感じる時もあるんだけど、平均的にあのホールはややフォローが吹いてる。17番が右からアゲンストで折り返しだから、基本的には若干フォローが入ってくる。ただし谷口はそれをクロスとして考えてたから、あれはナイスショットだったんだね。

 でナイスショットがオーバーしちゃったと。うわぁって感じだったね。本人も言ってたけど、アゲンスト、自分はアゲっぽく感じてたんですよっていうふうに言ってたけど、グリーンの上に来ると、あぁそうかフォローだってわかったよなぁって感じなんだね。

 テレビの解説ではフライヤーじゃないかって言ってたらしいけど、あれはフライヤーはしてなくて、すごくいい球だったよ。


(1999.3.29掲載)

風に翻弄された

 最終日、特に最終組っていうのは、僕は居場所だと感じたけれど、やっぱり自分のゴルフをしにくいところではあるね。

 それでも谷口君も途中でいいパットを決めてたけどね。谷口君の場合、あそこが痛かったね。14番ショート。グリーンの右手前に落としてバンカーに入ってボギー。13番ホールでいいバーディを取って、14番パー、15番バーディっていうイメージで、流れとしてはいけそうだったけど、14番のボギーでちょっと水を差したかなぁと。

 で15番でいいティーショットを打って、セカンドはまあちょっとショートしたけど。あのアプローチの時にまたすっごい風が吹いてたんだ。右からフォローが入ってくるから、アプローチもそんなにつっこめない。奧に行ってしまうとやっぱり下りのパットになる。

 下りのパットだけだったらいいけど、左からのアゲンストに向かって下りのフックラインのパットなんだね。自分の左からのお尻のポケット側からくる風に対して、下りのフックラインっていうのはまず難しい。

 だから彼がアプローチするサイドからはそんなにつっこめない。風がなければピンまでの距離感を出してこれるけどね。3日目に同じようなアングルから僕はバーディ取ったけど、そんなに難しいラインではないんだ。でも風を考えるとあれ以上打ち切れないね。

 だから決してあれはミスショットっていうよりも、要するに風に翻弄されたっていうのが正解かなと思う。あれじゃ楽しくやろうと思ってもつらくなっちゃうね。


(1999.3.30掲載)

だんごより花

 桜もいよいよ咲き始めましたね。やっぱり桜はいいねぇ。アメリカ行ってる時ってやっぱりいちばん見たかったっていうのが桜だったね。毎年4月頃になると、日本が恋しかったねぇ。

 僕がアメリカツアーに出始めたのが83年にTPC、グリーンズボロ、マスターズの3試合で125位のシードの賞金ランキング越えたんだけど、その時にツアーカード要る?カード欲しいですか?というから、あっツアーカード欲しいですってことでツアーメンバーになって、まあ6年ぐらいやった。でその間、やっぱり桜が見たかったっていうのがいちばんだったね。食べ物よりもとにかく桜だった。

 アメリカには桜っていうのは・・・日本からの日米親善で、ワシントンには植えられてるやつぐらいかな。ソメイヨシノだったかなぁ。ワシントンDCのところには桜の並木って言ったらオーバーだけど、桜がずいぶん植えられてるらしい。でもワシントンではその頃なかなか試合がないしね。向こうでは桜は見られない。

 外国の人が日本に来て覚えてるのはやっぱり富士山。それから桜。けっこう桜を知ってる人が多いね。あとはまあ、すき焼き、芸者さんかなぁ(苦笑) それとか有名なとこで日本酒だとかね。

 酒といえば懇談会の時に話が出た屋形船やらないとね。だいたい20人ぐら集めれば貸し切りにはできるらしい。こっちは僕とイサクと泉谷と、うちのかあちゃんと子供だから、こっちで6、7人ぐらいになるかな。あとはオン・ザ・グリーンのほうで12、3人集めてもらえばいいね。まあ30人ぐらいでも余裕だね。

 どうせだったらこぎれいな船で、腕の確かな船頭さんがいいな。これはこれで楽しみだね。


(1999.3.31掲載)

想像を絶するぐらい難しいコース

 しかし惜しかったね直道。何年か前にノーマンがすごいスコアで優勝したよね、TPCで。やっぱりあれから、あのコースは随分タフにタフに改造されたね。グリーンが硬くなったり、ラフやグリーン周りのグラスバンカーがすごくきつくなったり。そういう点でああいうスコアになっていっちゃうんだろうね。

 それとフロリダっていうのは遮る物がないから、ちょうどお昼前後から風が出てくるんだ。で初日2日は比較的、まあ特に2日目のスタートは早かったから、風のないところで回れたというのがラッキーはラッキーだったけどね。でも2日間で午前と午後のラウンドになるから、公平と言えば公平なんだけど。

 まあその初日2日でうまくスコア伸ばしたんだけど、やっぱり土曜日、スタートが遅くなって、一段とグリーンも硬くなってきて、もうこれはほんと月曜からグリーンを仕上げてるわけだから、どんどん硬くなってくから、そういう点では土曜日なんてのはカチンカチンだよね。

 17番ホールなんかだって、テレビ見てた人はわかったと思うんだけど、もう手前の段なのに、行くな行くなって、もういい行くなっていう感じで言ってるよね。あれは打ってる側からしてみれば、あれが限界ぐらいの、もうあれ以上行って上の段に行ってバーディチャンスにつくっていったら、半分あきらめ、あっ行っちゃった!っていうようなショットがたまたま止まってバーディチャンスについたりするということしかないだろうね。そういう点でいやぁほんと難しいと思う。

 最終日は途中までしか見れなかったけど、やっぱりみんながスコア落としてた。世界の一流選手があんだけスコア落とすってことは、ほんと想像を絶するぐらい難しいコースになってるんだろうね。