バックナンバー(1997.8)


 

(1997.8.2掲載)

真夏の水分補給

 宇部興産のホームページに、クラブハウスでコンピュータいじってる僕が写ってる写真があるんだ。あれは成績の上下とかさ、どの選手がどの辺で回ってるかとか、いま全体のスコア、例えばパープレーは何位にいるとか、2アンダーは何位ぐらいにいるかとか、そういうのが出せるようになってる物なんだ。コンピュータは僕はほとんど見るだけですからねぇ。ほんとにもうちょっとメカニックに強くなるといいんだけどねぇ。どっちかっていうと表に出て芝いじってたほうがいいって感じだからねぇ。

 外は今頃がいちばん暑いわけだけど、まあ汗流すのは好きだから、暑いのは苦にならないね。苦にならないって言ったらオーバーだけど、汗流すのは好きだから。寒いのはダメだけどね。

 アマチュアの人も覚えていたほうがいいけど、やっぱり運動しながらね、真夏のゴルフだったら、冷やした水よりも常温の水をね、やっぱり2リットルぐらい、まあ1リットルボトルを2本ぐらい持つとか、500ミリを4本持つとかして、ラウンドするほうがいいね。1ラウンドに2リッターが目安だね。

 飲み物をあんまり冷やすとね、お腹に負担がかかって吸収力も悪いし、体全体にうまくまわらないから、どちらかというと生温い水のほうが体にとってはいいね。やってみたらすぐわかるよ。極端な話、お湯でもいい。冷たいのよりはお湯のほうがいい。冷たい飲み物はクラブハウス入ったらいくらでも飲めるじゃない。

 スポーツドリンクはハーフで2本だったらいいね。ラウンドで3本ぐらいがいいかな。4本になると多いね。でも基本的には水。いちばんいいのはそのスポーツドリンクを倍ぐらい、あるいは3倍ぐらいに薄めて、水と一緒に飲むがいいね。あれその物だと濃すぎてダメ。

 まあ、けっこう試したし、いろいろ勉強もしてみてこういう結論になったって感じかな。勉強してるって言ったらオーバーだけど。やってみたら自然にわかると思うよ。ちなみにね、1リットルの水のボトルに、スポーツドリンクを3倍に薄めた水持っていってごらん。で、それを飲みながらやってごらん。1ラウンドで500ミリリットルを3本か4本。すごく楽だから。

 冷たい水だとヘタすると下痢しちゃう。胃がじょうぶならだいじょうぶだけど、僕もそうはならないんだけど、やっぱり飲んでみて違いははっきりわかるね。あぁ、あと睡眠も大事だよ。


(1997.8.3掲載)

子供達とゴルフのふれあい

 毎年恒例の子供達の練正館合宿があるんだけど、今年は日程的にちょっと、いつもよりは期間が短くなるんだけど、楽しみにしてる人っていうのかな、問い合わせをよく受けるね。今年はあんまり表示がないんですけど、今年もやるんですかぁって。やりますよーって言って、申込書なんかを送ってくださいっていうことで感じになる。もう今年の人選は決まったみたい。あれは早いよぉ。あっと言う間にふさがっちゃう。

 そういえば青木さんも子供との会を始めたようだね。青木さんはちょっとスタートが遅くなったけどね。やっぱり青木さんていうのは、いいスポンサーっていうかなぁ、例えばアメリカンエクスプレスだとか、キャデラックだとか、あるいはその他いくつかのスポンサー持ってるから、やっぱりバックアップしてくれるっていうのが大きな力だよね。

 ただバックアップしてもらって、その最初の主旨、初心とかなり変わってきてしまうっていう部分もあるから、それがこれから先の課題じゃないかなぁ。うちなんかは小さく始めてきたから、やっぱり最初の路線からはずれないで助かってるっていう部分もあるんだけど、逆に言えば、大々的にやればもっと多くの子供達がゴルフに接するかも知れないよね。

 でも、はたしてそれがどんどんどんどん膨らむ、あるいは広がるっていうことが、はたして自分にできるのか、それがカバーしきれるのかっていうことを自問自答した時に、ちょっと無理じゃないかなぁと。だったら自分は自分なりの方法でやってけばいいやと。細く長くでもいいし。

 まあなんていうか門戸が狭くてもしょうがないというかな、そういうふうに思ってるけどね。それこそほんと現役終わってからの楽しみになるかも知れないしねぇ。練正館も宿泊施設の充実なんていうことも考えるんだけど、とりあえず宿泊する人間が少ないわけだから、まあなんとか長い目で考えてって感じ。

 子供達がゴルフに触れる機会っていうのは確かに増えてきてると思う。ジャンボのところもジャンボ杯やってるけどね。年に1回やったりするけど、まあ、彼は彼の方法がある。

 僕がいちばん嫌なのは、はっきりここでやだって言うけど、要するに日本独特の悪さっていうのかな、○○効果、○○のようにっていうか、ウッズのようにっていうかね、やっぱりマネをする、そしてマネをして騒いで、それで一瞬経ったらそれで終わりっていうような、なんか熱しやすく冷めやすいってやつ。そういうのはやだなぁって思うんだよね。


(1997.8.4掲載)

コーチとしての父

 400ヤードドライブについての質問があったけど、いやいやいやいや、あ・れ・は、400ヤードドライブ飛ばせっていうのは、うちの親父が非常に大きな目標として言ってたことであって、要するに父曰く、300ヤードで満足するなっていうことなんだね。

 それはどういうことかっていうと、ともするとゴルフコースに出た場合にスコアメイクっていうことを考えたり、あるいはプロで試合を始めていったりすると、やはり現実的にスコア出さないと賞金を稼げたり、あるいは上位に入ったり、あるいは優勝することはできないよね。だからついつい目先のコントロール、とりあえずのスコアを出したいっていうことで、どんどんどんどんこう、小さなゴルフになっていってしまうと。

 そういうことも、中島巌という父親の反面、コーチとしての中島巌としては考えてたんじゃないかなっていう気がするんだ。

 だから、自分のキャパシティっていうのを広げる、広げるって言ったらおかしいけど、自分のそのスケールっていう物を決して縮めることなく現状で満足すると、やはりゴルフ自体が守りになるし、あるいは人生その物も守りになってしまう。だから現状に満足することなく、さらにその上を目指す。

 そうなった時に、普通の人間だとしたら、例えば300ヤード飛ばしたとしたらね、300ヤード飛ばせる人間だとしたら来年はさらに10ヤードアップしよう、で、310ヤードを1つの自分のラインにしよう、っていうふうに考えるけど、父の場合は極端だったから、数が100、200、300っていうレベルで出てくるから、300の次は400っていうふうになっちゃうんだよね。そういう点で非常に物差しが大きかったというかね。

 そういうふうに父が発言するっていうことは、自分がいやぁ310ヤードぐらい320ヤードぐらいでっていうふうに言うこと自体は、その当時の中島家としては許されないことだったからね。父が「400ヤード」って言ったら、息子も「はい400ヤード行きます」っていう感じだったよね。だからどうしてもそういう点では意に反したところもあったけれども、やはりそれは父のほうが賢かったのかも知れないねぇ。


(1997.8.5掲載)

だから飛ばすっていうのは……

 400ヤードドライブに挑戦して1つ失敗したことがある400ヤードって現実には飛ばないと思うね。タイガー・ウッズでさえも400ヤードは実質無風状態で平らなところだったら無理だと思うのね。タイガー・ウッズでさえも330とかそのぐらいが限界だと思うんだ。平らで無風とすればね。

 で、地面がよっぽど硬ければ別だけど、地面が普通の状態で平らで無風だったら330ぐらいが限界だっていうふうに思うんだけど、まあ温度も多少若干ありますよ。暖かいところだったらもうちょっと行くかも知れないけどね。

 ごく普通の半袖ベストぐらいの感じだとして、日本の5月ぐらいの気候だとしたらそのぐらいだと思う。で、自分がまあ400ヤードはオーバーにしても、自分の持ってる距離を1割、1割っていうと300ヤードの距離を持っていれば330ヤードぐらい、280としても28ヤード、要するに1割ぐらいを飛距離をアップさせようとすると考えていろんな練習をしたけれど、基本的には打ち方をずいぶん崩してしまったなというところがあったんじゃないかな。22、3歳の頃だったかな。

 1割多く飛ばそうとすることによって、無理して飛ばそうとして、どうして悪くなるかっていうと、やはりスイング的には軸が大きくブレてくる、体の回転にバランスの悪さが出てくる、上半身の回転の調和が難しい、そして今度ダウンスイングになると今度はあおってくる、あおってくると体の回転が止まるから、逆フックも出ればプッシュアウトも出る、体が止まってくると肩も落ちる、そういう様々な連鎖反応的なことが出てくる。

 だから飛ばすっていうのは、スイングのクォリティを上げるっていうこと、それからもう1つは自分の体のメンテナンスを上げること、メンテナンスをよくして非常に肉体的にいい状態にしてあげる、それからスイングのクォリティをよくしていく。それはどういうことかっていうと、無駄をなくす、それから大振りはいけない、しかし、十分なひねりと、大きなスイングは必要であり、でも大きすぎるスイングもまたいけない。

 っていうことで、その辺をうまくコントロールっていうかクリアできれば、ボールっていうのはその人が持ってる最大限の距離を出してくれると思うんだけどね。


(1997.8.6掲載)

トーナメントの色

 先週の新潟オープンは9位だったけど、やっぱちょっとボギーが多いね。12ぐらい打ってるからね、4日間で。ボギーはやっぱり1日1個以内に押さえたいね。できればバーディを取って、ボギーを少なくするっていうのがベストだけどねぇ(笑)

 土日の昼間にテレビ中継がなかったんだけど、確か賞金総額6000万円かなんかだったし、やる側にとっても自分のところのはこう、なんていうか1つのトーナメントの色だよね。うちはこういうスタイルでやるっていう。

 そこで若手が育ってくれればいいんだし、別にその新潟オープンでAON揃ってもらって全員が揃ってもらって、テレビ中継あるし、しっかりやってもらわなきゃ困るっていう姿ではやってないからね。うちはうちのスタイルでやります、その中で出られる選手はどうぞっていうね。そういうポリシーっていうかな、スタンスの違いっていうのかな。でもああいうところで意外ときっかけをつかむ選手っていうのもいるしね。新潟オープンってけっこういい選手を排出してるよね。

 今週はね、生まれ故郷のサンコーなんです。生まれ故郷っていうか、生まれ故郷の群馬県の高崎でのサンコーグランドサマーっていう試合なんだ。実は初めて来たんだ。元々は後援競技だったんだけど、2年ぐらい前からかなぁ、ツアーに変わったんだよね。

 今週のコースは素直そうだよ。そんなにトリッキーじゃなさそうだし。どちらかというとバーディをたくさん取っていったほうがいいっていうコースだね。優勝争いは20アンダーに近くなるんじゃないかねぇ。

 まあ、あとは天候もあるけど、今の時期っていうのはそんなに大きな風は吹かないじゃない。台風でも来ない限り。だからそういう点ではある程度スコアというのも多めのね、アンダーになっていくと思うね。


(1997.8.7掲載)

アゲンストだと飛ばないのにさぁ〜

 たまーにね、たまにだけどトーナメントでもね、西遊記見てますよって人がいるんだよね。そういうふうになんか声かけられると、あっそうですかぁ〜って感じで、なんか秘かなこう、なんかこう、秘かにこう共有する物があるっていう感じでさ、なかなかうれしいもんだよ。

 そういえばまた台風が来てるみたいだけど、まあ台風の東側に行かなければ、そんなに雨は来ないんだけどね。台風だけはねぇ試合にならないよねぇ。ただ台風っていうのは意外と直撃しない限り、中止にはならないんだよね。台風の通るコースのすぐ東側にゴルフ場があると、台風の中心の東側だと、それが近ければ近いほどやっぱり中止になる確率高いけど、台風っていうのはほんとにきままだし、ちょっとずれたりすると意外と風が強くて、雨もぱらぱらっていう、最悪の条件の中でやんないといけないということがあるね。

 しかしさぁ、台風とかでアゲンストだとほんとにまともに飛ばないのに、そのくせフォローだと300ヤード飛んでるかっていうとそんなことないんだよねぇ。アゲンストでロスされる距離と同じように飛んでってくれればありがたいのに、フォローになるとそれほどでもないっていうね。

 そういう点では意外と低いボールっていうのを練習するっていう時に昔の人っていうか、昔のプロ、まあ今の年齢で言うと55歳以上のプロに聞くと、やっぱり天気の悪い日わざわざゴルフに出て練習したっていう人が多いね。悪天候を選んでコースに出るらしい。そういう人が多いね。やっぱり悪天候の中でスコア作るには、よっぽど技術がしっかりしてないと出ないからね。なるほどって思ったことがあったね。

 今週のサンコーが終わって2週間は夏休み。その次のKBCが苦手なコースだったんだけど、行って仇討ちをしてこようっていう気持ちになってるんで行ってきます。芥屋もちょっとこう、まあ別に素直に攻めていけばいいんだけどね。ちょっとひねって考えちゃうといけないかなぁっていう感じだね。


(1997.8.8掲載)

無言の抗議

 フィランスロピーのことが、こないだゴルフ雑誌に書いてあったんだけど、選手会会長副会長が出ないとか、そういうことでいいんだろうかっていうことが書いてあったんだ。だけど、こっちも生身の人間だしね、連戦が続けば厳しい。ただ調整はできるよね。

 ただし、やはり車椅子の人達が見に来れるコースであったのか、とかね、はたしてほんとにフィランスロピーをやるために、協会が本当にそういう意味で人が来れる、または人が楽しめる、そういうコース選びをしたのかっていう、そのトーナメント会場の中のいろんなセッティングをしたのか、そして準備を整えてくれていたのかっていうところもあるんだよね、ほんとはね。

 だから、長い物には巻かれろ、フィランスロピーだから出なさい、チャリティだから出なさい、というんじゃなくて、なんていうか、無言の抗議って言うのかなぁ、そういうのも現実には若干自分達の気持ちの中に、僕とかマッシーとかの中にあるから、調整する意欲っていうのがやっぱり半減してしまうよね。

 まして僕の場合、ずっと連戦できてて、去年は足が痛くてよみうりも欠場してたから出たかったし、その後ミズノは当然出なきゃいけないし、出なきゃいけないっていうか出るわけだし、そうなってくると休める状況にぜんぜんなかったからね。やっぱり6戦でると、どっか休まなきゃいけない。じゃあどうしようか、やっぱりフィランスロピーもこうして欲しかったよなぁとかいうことになる。

 まあそれでも、いまね、そのゴルフ雑誌に書いてあったように出ればよかったのかも知れないけど、じゃあその次の来年の時になんか考えてくれなさそう、またそれで出てくれたんだから、今年と同じでいいやっていうふうに思われたら、やはり進歩がないと思うんだよ。

 やはり車椅子の人が来たり、あるいは会場内でこういうふうにやって、もっと来た人達に喜んでもらおうとか、こういうチャリティの志向をできるんじゃないかって、そういうフィールドであるから、となれば出やすいと思うんだ。

 でもすごい山岳コースで、そのピンの位置もすごくひどいところにあって、グリーンも選手には、例えばグリーンを硬くしますよとか、ラフを刈りますよとか、そういうことは伝えなければいけないんだよね、本当は。だからそれを伝えずにそういうことをしてしまったりというのは、明らかにゴルフトーナメントを開く関係者としては、これは不手際と言われても仕方がないと思う。で、それがまかり通ってるのが今のトーナメント現状なんだよね。


(1997.8.9掲載)

これって間違ってると思う

 フィランスロピーでのことをもう少し詳しく言うとね、例えば練習日には深かったラフが試合になったらばっさり刈られてたというのがあって、ある選手があそこはラフが深かったからというんでスプーンで打って、行ってみたら、ラフが刈られてた。でも他のある選手はその刈られたことを知ってたりしたら、そこに不公平が生まれるよね。本来こういうことはあってはいけないことだよね。

 アメリカなんかではきちんと選手に報告してる。選手にはグリーンに水を撒いたとかラフを刈ったとかいうことを報告してて、選手はそれを知っててコースに出てる。グリーンがどうであるかというのを知ってて出ていける。それがわからないと、例えばピンの手前に落とさないと止まらないとかいうことがわからないわけで、ナイスショットがナイスショットでなくなってしまうわけだよね。

 そういうことを日本の競技では平気でやってしまう。そういうところでの不満というのが、やはり選手にも出てしまうわけだね。ナイスショットがナイスショットにならないっていうのがね。

 でも丸山の抗議というのはちょっと筋が違うかなとは思うんだ。というのは、あんなピンの位置で、あんなにグリーンが硬かったら寄らないっていうのは、やさしくしろっていうふうに取られがちになるよね。本当の問題点というのはそういうことではなくて、そういう状況をきちんと伝えないことにあるんだ。

 フィランスロピーでは確かにグリーンが硬かったらしい。ほんとはね、コースのグリーンキーパーが水を撒かせてくれって言ったんだって。芝が痛んじゃうからって。でその夜15分だけ水を撒いた。そうしたら次の日いいスコアが出た。そうしたら協会側は、もう水を撒かないでくれと言ったらしいんだ。でその後一切水を撒かなかった。グリーンキーパーは芝が枯れてしまう、死んでしまうから水を撒かせて欲しいと言ってるのにだよ。

 これって、トーナメントをやることによってグリーンを壊してしまうっていうことになるよね。難しくするんだっていうことで、グリーンを殺してしまうと。これってやっぱり間違ってると思うんだよね。


(1997.8.11掲載)

勝つ選手との違い

 いよいよ全米プロ。こないだニュース番組で丸山君が言ってたけどねぇ、イギリスっていうのは花道があるから、その花道を考えれば自然に攻めてくルートが見つかるっていうようなことを言ってたけど、それはまったく自分が行った時もそういう印象はあったよね。だからイギリスっていうのは、点と線で言うと、線で攻められるコースなんだ。全英オープンっていうのはそういう線で攻められるトーナメントって言うのかなぁ。

 ところが今度アメリカになってくると点と点になってくるから、なかなかそういうイギリスと同じ考えで、まあ彼も当然そうは考えてないと思うけど、逆に見る側がね、イギリスでよかったからアメリカでもいいんじゃないかっていう、単純にはなんていうか予測できないっていうのかなぁ。

 でまあ、本人が絶好調だったらわからない、メジャートーナメントでも自分のもし絶好調が出て行けばわからないっていうようなことを言ってたけど、まあ青木さんにしても、まあ自分にしてもそうだし、あるいはジャンボにしてもあったと思うんだ。この調子だったら勝てる、あるいは日本だったらこの調子だったら楽勝だっていうゴルフがあったと思うのね。

 それはどういうことかっていうと青木さんで言えば全米オープンでニクラスと死闘を演じた時だとか、あるいは全英オープンで7位に入った時だとか、あるいはジャンボで言えば最終日の13番でトップになったっていうのがあったね、全米オープンで。でその後まあ失敗して6位になってしまったんだけど、まあ自分なんかでもニクラスが優勝した時のマスターズの8位の時だとか、あるいは全米プロの3位の時だとか、っていうのはやはり限りなく絶好調に近いよね。

 ただし、やはりそれでも63ホール目までなんだ。63ホール目までのプレーになっちゃう。残りの9ホール保たないんだ。だから丸山君がもし絶好調でいったとしても、63ホール目まではすごくいいプレーをすると思うけど、63ホールを過ぎて残りの9ホールにいった時に、要するにラストスパートっていうやつ、ラストスパートが、勝つ選手とあるいは優勝争いで終わる選手という境目になるんじゃないかな。


(1997.8.12掲載)

さすがメジャー

 これからはね、毎週毎試合が楽しみになってくるはずだから、そういう点では全米プロからワールドシリーズまでっていうのは、今年の大きな楽しい見せ場、おいしいところっていうやつかな。

 日本人がベスト10に入った経験っていうのは、やはりそう多くはいないよね、メジャーで。特にここのところで言えばメジャーでベスト10に入った選手っていうのはAON以外では丸山君が久しぶりだと思うんだよね。

 そういう点でベスト10に入ることさえもたいへんだけど、優勝争いっていうのはもう1つ上だし、優勝っていうのはまたさらに上だっていう、そういうなんていうかなこう難しさっていうのかなぁ、確かにあるんだね。ただ、絶好調のプレーをしたら、優勝争いしてくるわけだから、見てる側にとってもおもしろいよね。

 やっぱり丸山君も、その中で何かつかんで、やっぱり若い年齢なんだから、そのつかんだ物をこなしていく時間的な余裕もあるし、その経験っていうのは無駄にならないんだから、できるだけ好調でプレーしてもらいたいなっていう気持ちがあるねぇ。

 そうしないとまた来年勉強しなきゃいけない、で、もしこれが今年好調で全英に続いて全米プロでもいいプレーができればものすごくいい経験になるし、それが活かせる可能性が非常に高くなってくるよね。

 ただ全米プロは、どうしても日本国内の評価っていうのかな、ちょっと低いよね。でも実際行ってみるとメジャーとしての風格っていうのは素晴らしいよね。コースだって立派な、全米オープンにひけを取らないコースでやるし、やっぱり素晴らしいなっていう、大会運営にしてもなんにしても、やっぱこうさすがメジャーっていう部分があるよね。

 そういう点で日本のツアーももう少しこううまくトーナメント日程を整備しないといけないかなっていう感じがある。ただ世界のメジャーに合わせていってしまうと、結局おいしい物だけ全部持ってかれて、後はもう前菜です、サラダです、はい後は食後のコーヒーです、で終わりだっていうそういうようなこうなんていうかこうポイントが抜けちゃうっていうかね。

 どうしてもマスターズの時はトーナメント入りたくないし、あるいは全米オープンの時にもやっぱりこう注目度、全米オープンにいってしまったり、全英オープンがあればそっちへいってしまったり、それはやっぱりゴルファー全体の意識があるからしょうがないんだけどね。


(1997.8.13掲載)

また風邪引いちゃった(苦笑)

 ダメだもう風邪で。どうも先週の火曜日にもらったみたいでねぇ、風邪引いたみたいで。エアコンがきついんだ、あそこのサンコーのホテルは。

 夏場だからすごく汗かくじゃない。でクラブハウス通ってホテルに行くんだけど、もうその瞬間に冷蔵庫に入ったような感じで、うわっって感じだったんだ。やばいなぁと思ったんだけど案の定。

 夜になったらもうレストランにも出かけないでコンビニで弁当買ってきてもらって(苦笑) そのお弁当も最初食べれなくてね、もうほとんど二口ぐらい口つけて薬飲んで。もう初日終わった時はひどかったね。

 今週と来週は試合がないんだ、僕は。で風邪引いたんだけど、今シーズンいちばんいいゴルフになってきたのね。これはすごくよくなってきたと思って、やめたくなかったのね、どうしても。でまあ最後までやれたんだけど。

 でもまあ睡眠できないし、風邪で咳も出るから途中で目が覚めたりとかね、あんまりこういい睡眠もできなくて、まあなんていうかつまんないミスもあったりしたんだけど、スイングとかパッティングとかってのはもう、今シーズンやっとこう自分でこれでいいんだっていう手応えっていうのをつかめたんだ。

 調子がよくなったのに休みが挟まるっていうのが悪いことかっていうと、やっぱりここで休みになってくれないとって感じかな。やっぱ風邪だからね。昨日も丸一日ほとんど休んでた。先週火曜日の夜風邪引いて、やばいなと思って、それで1週間風邪引きながらもやったじゃない。かえってよかったね。

 もしそれ休んでたらね、やっぱり今日ぐらいまではつらかったと思う。だから熱が出て、熱が38度も39度もある状態で咳がひどくて頭が痛くて節々が痛くてっていう状態だったらプレーできなかったと思うんだけど、そういう状態じゃなくて、咳と風邪引いてるなっていう感じだけだったから、プレーできたからよかったんだけどね。

 汗を出して、まあ土曜ぐらいには食べれるようになったし、かえってほんと直りが早かったかな。だから風邪も種類によっては動いたほうがいい風邪もあるね。休んだほうがいい風邪もあるし、休まないほうがいい風邪もあるという感じかな。


(1997.8.15掲載)

それでも行かなきゃダメだよ

 ジャンボがまた全米プロ棄権っていうことでさみしいね。今年はマスターズの時だっけ全米オープンの時だっけ、アゲンストの風が吹いてるっていうふうに言ったけど、やっぱり今年のマスターズでほとんど気持ち的には萎えたのかも知れないね。もうダメかな、ダメだろうなっていう気持ちになったんじゃないかな。

 いちばん心配なのは、全英オープンにしても全米プロにしても、やはり辞退するっていうのは非常に相手にとって失礼だから、僕とか青木さんとかは絶対しなかったよね。ほんとうに自分の体がひどい、自分のケガとかいうことがない限りは、やはり基本的に行ってたもん。

 今週日本で来週アメリカで再来週また帰ってこなきゃいけない、いやぁいま風邪引いてるし、体調悪いんだ、だからほんとつらいなぁなんていう話を青木さんにした時に、それでも行かなきゃダメだよっていうふうに、青木さんには言われたもんね。

 相手に対してはそれは礼儀だし、自分がそれに行かなければ、日本の後から続く若手が出れなくなっちゃうよ、っていうことで行ってたけど、ジャンボはやっぱりそういう点で勝手すぎるね。

 ほんともう50歳なんだから、極端に言えば、自分のゴルフをしてくればいいと思うんだ。勝つとか勝たないとかそんなことじゃなくて、もうなんていうのかなこう、自分が向こうに行って50歳の尾崎将司、それでも日本のナンバーワンとして来てるんだっていう、そのゴルフを見せるだけで僕は十分だと思うんだけどね。50歳であれだけのゴルフをするっていうことは驚異的なことだよ。

 それがやっぱりその勝つのは自分の使命だというふうに思ってて、それで普段努力するのはいいけど、やっぱりAll or Nothingじゃね。ちょっと違うんじゃないかなっていうふうに思うんだけどね。

 まして痛風になって痛くてダメだっていうのだって、まあ痛風っていうのは薬持って、薬で抑えればいいんだから、アメリカへ行く分のね、例えば10日とか1週間とか、あるいは2週間分の薬を持っていけばいいわけだし、それで済む問題だと思うんだ。


(1997.8.16掲載)

血の気が多いんだね

 ジャンボの棄権の原因になった痛風の話をしておこう。ちょっと長くなるけど。

 これは千葉大の教授が教えてくれたんだけど、医学的にも痛風っていうのはおもしろいもんなんだ。痛風になる人っていうのは、尿酸値が高いっていうのは知ってるかな。まあ、尿酸値が高い人に痛風が出るって言われてるんだけど、例えば尿酸値が高い人が100人いたとすると、その中で発病する人っていうのは、およそ20人から30人以内のレベルなんだって。

 尿酸値が高いからすぐ痛風になるっていうんじゃなくて、その尿酸値が高いこと以外にもう1つ痛風を誘発する原因っていうのがあるんだって。その原因っていうのはいまだによくわかってないらしいんだけど、これはまあ1つ社長とか、役職の高い人がなりやすいんだね。

 それは悪い言葉で言うと、贅沢病って言われてる。けど贅沢をしてるから出るっていうんじゃなくて、ほんとうはなんていうか権限のある人、あるいは決断をしなければいけない人、あるいは勝負師、こういう人に出やすいんだね。そういう人が痛風になりやすいんだね。尿酸値が高いだけじゃなくてね。

 僕も昔、1987年か88年の時に、足がものすごく痛かったことがあって、足の甲だったの僕の場合は。足の甲で、これはなんだろうっていうことでものすごく検査してたのね、あっちこっちで。

 その当時千葉大によくお世話になってたから、千葉大の先生に診てもらったら尿酸値を測るのね。行く度に血液採られて尿酸値を測られるんだけど、僕の場合4とか5とかいうそういうレベルなのね。尿酸値がね。

 尿酸値が例えば8とか9とかいうレベルになってくると痛風が出る諸条件っていうのが揃ってくるんだけど、尿酸値が4とか5とかいうのは、要するに基本の普通の人となんら変わらない尿酸値のレベルなんだ。でもこの尿酸値の普通の人の高さで、痛風が出る人がいるんだ。で、僕の場合がそうだった。

 尿酸値が4とか5という普通のレベルで痛風になってしまう人っていうのが、例えば今日血を採って検査するよね。で、また明日かあさって行って血を採って検査するわ。そうすると普通の人は今日血を採って、お肉をたくさん食べて、ビールをバカバカ飲んで、要するに飲み放題食い放題して、さあ次の日血を採って測りましたっていっても、例えば4のポイントが4.5ぐらいにしかならない。だいたい0.5ポイントぐらい。要するに1ポイントは上下しないのね。

 ところが僕の場合は、測った時4ポイントで、次の日、例えば5.2ポイントとか1ポイント以上上下があるわけ。で1ポイント以上上下がある人っていうのは、非常に精神的な攻撃力っていうのが強い人なんだって。で千葉大の先生曰く、「あぁ、血の気が多いんだね、中島さんは」っていうことになった(笑)

 この時はもういろんな検査したんだ。剥離骨折とか、いろんな疑いを持って検査したんだけど、どうにもこうにも痛風以外に思い当たる節はないっていうことになったわけ。だいたい通算で1カ月近い検査の結果ね。

 それで、じゃあ尿酸値を安定させる薬を飲みましょうっていうことで飲み始めた。そしたら足の痛みっていうのは消えてきた。あっやっぱり痛風だったんだねと。っていうことは、尿酸値が高くても痛風にならない人もいるし、尿酸値が低くても痛風になる人もいる。

 その原因っていうのがその本人の持ってる、なんていうか人間的な攻撃性っていうのかな、あるいは勝負事に常に携わっていかなきゃいけない、白黒あるいは右か左か、前か後ろかその決断を常に携わる人間にその誘発する何かがあるんじゃないかっていうことをその先生は言ってたね。


(1997.8.17掲載)

ジャンボの役目

 ジャンボの痛風から話がちょっと横道にそれたんだけど、まあ痛風っていう病気はそれほど怖がる病気じゃないと。ちゃんと治療してれば。だから薬を持っていって、それを服用しながらね、プレーすれば、できないことはないのよ。

 ただ、むしろ僕が思うのは、やはりそこまでしていって、全米プロにそこまでしていって、自分が納得するプレーができなかったらやだ、ということだよね。ただし、その気持ちもわかるよ。

 やっぱりジャンボの生き方としてそういうね、自分はベストのプレーを見せるんだっていう気持ちで生きてきた人だから、その気持ちもわかるけど、やはり反面日本の第一人者なんだから、自分がそういうふうに辞退してたら後進の道が狭くなる、後から続く者の道が狭くなるっていうことも考えなきゃいけない。そういうことがね、現実的にほんとにあるよ。

 直道がここで米ツアーを撤退して帰ってくるよね。それはそれで直道も何年もやり続けたし、もう5年も6年もね、カードを守ってきたわけだ。でもこういう結果になって撤退してくる。

 それはそれで僕はちゃんとやってきたことだし、彼の長い、なんていうか単発的な思いじゃなくて、あるいはその場的な思いじゃなくて、やっぱりずっと考えたあげくの結論だったと思うんだ。

 だからそれはそれでいいと思うんだけど、結局今行ってる加瀬君だとか、あるいはちょこちょこ向こうに顔出してる選手もいるけれど、もっと本格的に腰を据えていく選手達のことを考えると、やはりジャンボの役目っていうのはもっともっと本人が思ってる以上に大きな物があるんじゃないかなっていうふうに思うんだよね。


(1997.8.18掲載)

ジャンボの役目(2)

 昨日の続きになるけど、まだ直道がね、元気で行ってればまた話は違うんだろうけど、撤退して帰ってくるから、もう僕はそれに対してご苦労さんっていう言葉しかないよ。それだけ長い間やってきたんだし、もうそれこそマスターズ終わったって帰って来ないで向こうでやってたし。ほんとに僕は直道の場合もう十分やったと思う。だからそれはいいと思うんだけど、だからなおさら今のジャンボの立場っていうのは、自分一人の問題じゃないなっていうふうに思うんだ。

 例えば全英オープンの日本からの出場枠を狭くするなんていう噂もある。現実にそうなってくるだろうと思うしね。やはりほんとに出たいんだったら全英まで来て、皆と同じ条件で予選をやりなさいというふうに言われればそれで終わりだからね。

 まあ丸山が活躍したけど、やはりそのジャンボの存在っていうのは、それだけイギリスでも大きな物だし、まあ前回のミュアフィールドの時に向こうの記事で批判されたね。前回っていうかセントアンドリュースの前だったけど、ミュアフィールドの時にいいかげんなプレーをして、なげやりなプレーっていうかいいかげんっていうか、まあ同じようなもんだね、もうラインも見ないでぽんぽんぽんぽん先打っていったりとか、いうことをその次の日の新聞で向こうで書かれたわけ。

 その時に、俺はこう寒くてね、こんな待ち待ちの、待って待ってやる試合は好かないと、自分のゴルフに合わないということで、もう全英は二度と行かない、ということを彼は言ったっていうね。その言葉のなんていうかインパクトっていうのは、向こうの協会R&Aにとってはすごいインパクトだよね。

 日本でそういうふうなコメントをジャンボがしてるっていうことは向こうの協会の耳にも入ってるし、日本のね、せっかくこれだけ多くの枠を用意してるのに、そのリーダーである人がそんなコメントをするんじゃな、っていうことを言ってるのを、ちょっと耳にしたことはあるんだ。


(1997.8.19掲載)

伝説のTN87をリニューアル

 風邪はよくなってきたよ。よくなってきたというか、もうほとんど先週の前半の月曜火曜ぐらいで体調よくなってきたという感じだね。

 しかも先週は子供達がジュニア合宿で来てたからさ、早く直して、一緒に合宿に参加したいっていう気持ちが強かったのもあって、やっぱり直りも早かったね。なんにもすることがないっていうことじゃなかったからかな。

 今週はトミーチャレンジが、火曜日に日光の霧降カントリーであって、でその後はクラブテストで、2日間ほどクラブの新しいシャフトだとか、新しいクラブの試打があるんだ。

 試打がけっこう時間がかかるんだけど、伝説のTN87を、リニューアルして新しく、リニューアルというよりももうちょっとフルモデルチェンジという、いやぁマイナーチェンジ・・・なんて言ったらいいんだろうなぁ(苦笑)

 要するにTN87を思い起こしながら、フルキャビティをついに作ったんだよね。それがいよいよ来るんですよ。楽しみなんだけどね。

 でもTNモデルにはならないんだ、廃版だから。ミズノの製作方針なんだろうね。要するにミズノでもミズノプロっていう物に対してもっともっと力を入れて、ミズノプロっていう物がミズノのクラブ全体を引っ張っていきたいという意識が非常に強いんだね。で、僕はそれは悪い考えじゃないと思うんだ。

 なぜかっていうと、いろんなモデルが出てしまうと、例えばブリヂストンにあるのはJ'sがあって、JOEキャビティがあって、コングモデルがあるよね。それからパラディーゾだとかいろいろあるけど、基本的に誰々モデルって言われるのはJOEキャビティとコングモデルだよね。でJ'sはジャンボが使ってる。

 そんなような感じでいくと、ブリヂストンにはこれだけの種類がありますよと、これも1つの方法だよね。ただ、誰々のクラブとなると、ブリヂストンその物を、ブリヂストンのクラブその物を引っ張ってくクラブっていったい何なんだと。それはコングなのか、JOEなのか、あるいはJ'sなのか。実際問題売れてるクラブはどれがいちばん売れてるのか、というふうな色分けになってくると思うんだけど、ミズノに関してはそういうんじゃなくて、ミズノのミズノプロとしての位置っていうのをもっとフラッグシップになろうというふうに意識が出てきてるんだね。

 それは例えばニック・ファルドT-ZOID使ってる。あるいは若手の佐藤信人とか、手島多一とかはT-ZOID使ってる。あるいは桑原も使ってる。確かにT-ZOIDっていうのも1つの柱である。TNっていうのもまた1つの柱である。

 ただそれは、大昔、昔のようにね、ミズノがミズノプロっていう商品に関して非常に誇りと、それから製品の完成度の高さを自負してた、そして自他ともに認めてた時代じゃないんだよね。

 そうじゃなくて、ちょっと難しいんだけど、買う人間から見れば例えばブリヂストンから売ってるJ'sもJOEキャビティもコングも全部ブリヂストンじゃないかというふうに思うよね。でも、売る側にとってはそうじゃなくて、ちょっとまた意識が違ってくるわけ。うちのメインはこれですと。その頭文字がミズノの場合、TNであるよりもミズノプロ何々っていう形であってほしいんだよね。

 それで今年の春に相談受けて、ミズノプロっていう物をもう1回ほんとにうちのリーダーとして、要するにひっぱっていくクラブを、フラッグシップになるミズノプロを開発したいっていう要望を受けたのね。それでじゃあやろうかっていうことで、そのミズノプロの復活を目指してがんばってるんだ。


(1997.8.20掲載)

打感とクラブ選び

 メールやオン・ザ・グリーンの会議室に意見があるけど、西遊記の会、うまくできるといいね。会食とかなんかいろいろこう物が作れたらいいね。

 でもあせらなくていいんじゃないかな。やっぱりあせってスタートさせるよりも、自然に、あっこれがいい形だ、っていう、これがいい形じゃないかっていうような物が出てくると思うから。

 でやっぱりいろんな人間に負担にならないような、いろんな人間がほんとにこう、ほんのちょっとしたこう努力でできるようなね、そんな形が理想だね。一部の人達に負担がかかってもたいへんだし、僕自身にも大きな負担になっても困るし、ふっとこうね、あぁこれがちょうどいいよっていうようなやつが考えれば出てくると思うんだ。

 さて、ちょっと遅くなったけど、メールでもらってた質問に答えてみよう。打感というのはね、そうだねぇ、打感っていうのはいろんなファクターが入ってくるからねぇ。例えば音、手応え、それから重量感、その他諸々いろいろ入ってくるけど、打感っていうことに関して言えばやっぱり、軽やかさの中に重さがあるっていうのが最高だろうね。逆よりも、要するに重さの中に軽やかさがあるよりもね。

 これはプロのレベルから言った問題だよ。おそらくプロのレベルでやらかくて重さのあるっていう打感を言ったとしても、アマチュアの人にとっては、それが随分重い音に感じるかも知れない。でもプロからするとけっこう軽やか、でも重い。

 それは言い換えれば、軽やかっていうのは体全体がスムーズに動くこと、要するに体のキレとか、あるいはタメだとか、いろんなファクターが絡み合って、きれいに体が使える、自分の思い通りに体が使えるっていうことがポイントだよね。

 次に重さっていうのは、今度はインパクトの厚さにつながると思うんだ。インパクトの厚さっていうのは言い換えれば、ボールをまっすぐに押し出す時間が適正であるっていうことだよね。しかもレベル、下からでもない、上過ぎるわけでもない、ちょうどいいレベルでボールを打っていく、そのスクエアに当たる部分がちょうどいい時間、しかも体からのポジションが手・肩・腰、そういういろんなポジショニングがいいポジションにいるっていうことだね。

 だから打感でクラブを選んだりということもないね。やっぱり振ってみて振りやすい、しかも重量感がある。振りやすくて重量感がなくても困るし、振りやすさを消してしまうほど重くてもダメだし。あくまでも振って、軽やかに振れる。でもその中に重量感がしっかりと手に感じられる。スイング全体に感じられる。そういうクラブだね。それでいて前にも言ったように、当たった感触が手に戻ってくるようなクラブっていう感じだね。


(1997.8.21掲載)

次だいじょぶ、バーディ

 先週練正館でジュニアスクールっていうか、ジュニア合宿やってたんだ。四国から来てる男の子もいたりしてね。ちょっと午後に顔出して、サンドウィッチ1本持って、サンドウィッチじゃない、サンドウェッジ1本持ってぶらぶらしながら見てあげてね。

 なんか日本語おかしいなぁ。キャディのマイケルと話してると日本語おかしくなっちゃうんだ(笑)

 彼はもうごちゃまぜ。フロントまで134ヤード、ピンまでワンフィフティエイトね、とか、そんな感じですからねぇ。両方とも日本語で言えよって感じなんだけど(苦笑)

 そうそうマイケル、今日明日にもお父さんになる状況だね。奥さんがいつ産んでもおかしくない状況だから。子供は女の子なの、もうわかってるんだ。女の子だね、よかったね、でもまあ最初はボギーかって感じ。

 女の子だとボギーで、男の子だとバーディだ、ってこう、これは男尊女卑の考えじゃないんだけど、ほらなんとなく男の子だと跡取りができるし、男親からすると中学生高校生になった時に一緒に遊べるじゃない。だからそういう意味を込めて、冗談半分に男の子だと、まあプロゴルフ界の間では男の子男の子でいくとバーディバーディだなとかさ、そういう言い伝えがあるわけ。そういう冗談っていうのかな、冷やかしみたいな感じのがあるんだ。

 で、女の子だから残念だったっていうんじゃないんだよ。そういうんじゃなくて、うちみたいに女の子男の子っていう場合はボギーバーディっていう感じなんだけどね。でも実際はほんとは、実際にはどっちでも子供はかわいいわけだし、五体満足で生まれてきてくれるっていうことが親にとっては最高にうれしいことだし、そういう点で別に悪いっていうか深い意味はないのね。

 でも、自分で言ってたよ、マイケル。最初マイケル女の子好き、好きっていうか、女の子でいいって言うわけ。でもボギーね、って自分で言ってるんだよね。でも次だいじょぶ、バーディ、とか言ってて(笑)

 男の子と女の子だとやっぱり違うよね、ほんと活動範囲というか、行動力というか、力というか、やっぱりどっちかと言えば、男の子はほんとたいへんだね。


(1997.8.22掲載)

改めて感じさせられたね

 このシーズンにゴルフしてるとかなり日焼けするよね。プロゴルファーの場合は、そうだねぇ、こう遠赤外線で焼けてくっていうような感じで、健康的な焼け方してる。

 僕らっていうのはだいたいシャツ1枚なんだ。で、最近のシャツっていうのは通気性がいい。っていうことは逆にいうと太陽光線通すんだね。だから自分の下着のトランクスの跡ぐらいしか白いところはないね。まあ足も比較的白いけど、上半身は見事に焼けてるよ、皆。服を通して焼けてるね。だから腕と上腕との差がないっていう感じ。

 でも色が白い人は簡単に落ちるね。僕は冬になると落ちるねぇ。元が色が白いから、落ちるのはすごく早い。1週間か2週間ぐらいですーと落ちちゃう。落ちない人はずっと真っ黒っていう人もいるけどね。そういえば青木さんは一年中真っ黒だけど、あの人は地が黒いんだ(笑)

 話は変わるけど、お便りの中にボールのことが書いてあったね。ボールを息子がもらってっていうやつね。あれオンネームだったらよかったのにって書いてあったんだけど、実は自分のボールはもうオンネームやめたの。オンネームしてあるっていうのは、日本人プロだけなんだ。日本人プロだけの特徴っていうのかな。

 例えばアメリカなんかでも、記念品に出すような場合はオンネームにして出すんだけど、現実に使ってるボールっていうのはオンネームじゃない。

 だから、せっかくボールもらったのに名前がなくて残念だったって書いてあったんだけど、もう誰にあげてもサインはしてないからね(苦笑)

 でもなんていうかな、そういう想い出が父親とね、息子にできたっていうのは、改めてこう、あぁ、そうか、っていう気持ちになるね。だからほんとにいろんなところで、そういう、なんていうかな、こうその人にとっては一生に関わってくるようなっていうかな、けっこう大きなできごとっていうのがあるんだね。

 だからメールを見て改めて、なんかたかだかプロゴルファーでバーディとって喜んで、ボギーとってがっかりして、うーんそのぉ、それだけじゃないんだなと。やっぱりもっともっと奧が深いんだなっていうのを、やってる側も改めて感じさせられたね。

 プロが偉大かどうかはともかくとして、やっぱりプロゴルファー一人一人の存在っていうのは、やはり有名になればなるほど、上位にいけばいくほど、存在価値っていうのかな存在感っていうのかな、やっぱり大きくなってくるから、ほんとに大事なんだなぁと。

 やっぱり観戦しに来て、あぁつまんなかったとか、つまんなかっただけならいいけど、来て嫌な思いをしたっていうふうにならないように、ほんとにプロ一人一人が気を付けなきゃいけないかも知れないね。


(1997.8.23掲載)

グリーンジャケットの着心地

 そういえばジュニア合宿の話してなかった。今回はジュニアが5人来て、通算で言うと7人ぐらい来たんだけど、けっこうね、皆積極的というか、それなりに皆こう自分自身をしっかり持ってるというか、いい子達だったよ。合宿は先週の金曜日で終わりました。

 朝7時半に朝食なんだけど、それから掃除とか、練習、あるいはトレーニングとか、いろんなことが時間割に書いてあるんだけどね。それだけじゃなくて、今回僕がずっと1週間ほとんど、基本的には毎日行ったんだけど、よく見てあげられたから、子供達も大満足だったね。

 レッスンも十分してあげられたし、ゲームもできたし、あるいはバーベキューとか、花火大会もあったし、あるいは僕自身の想い出話、中学ぐらいの時の話もできたしね。やっぱり泊まり掛けでずっとね、1週間近く見てると、いい収穫があるね。

 その子達がプロになるならないっていうのは関係なくてね、ただその子達がゴルフをずっと生涯の友としてね、やっていってくれるか、あるいはたったその短い期間でもなんかこう自分の一生、それこそお便りのボールの話じゃないけど、やっぱりこう、あの時のあの一瞬が自分にとっていい想い出で、ずっと自分が曲がりそうな時、あるいはくじけそうな時、ふっとこう思い出して助けてくれたらなって、それだけでもいいんだけどね。あんまり強くなって、こうなってこういうふうに試合出て、こういうふうになろうなんていうふうな、そんな目標を求めるわけじゃないんだ。

 そういえばおもしろい話が1つあったんだ。千葉県の八千代市から来た男の子で、まあ仮にK君としとこう。金曜日の夜にバーベキューやったんだけど、その夜ちょっと寒かったんだ。

 練習終わって、じゃあそろそろバーベキューでもしようかっていう時に寒くて、でK君は半袖だったから、何か着といでって言ったら、そしたらだいじょぶですだいじょぶですって言うわけ。いやそんなこと言わないで風邪引いたらダメだぞ、何か着といで、その辺にあるものでいいから着といで、って言ったのね。そしたらそのK君っていうのがマスターズの、僕がマスターズに行った時に買ってきたTシャツをさりげなく着てきたわけだ。

 で、僕は、K君ね、それほんとにジョージアのマスターズで買ってきたTシャツだぞ、着心地はどうだ?って聞いたんだ。そしたら、あっ、ほんとですか、ほんとだ、うわー緊張しちゃうぅ〜、すごい着心地いいとか言って、じゃあ汚しちゃまずいなぁとか言ってるわけ。

 じゃあ汚したら、もしね、君がマスターズに出れるようだったらその時買ってきてくれればいいよ、なんて言ったんだ。

 合宿が終わる時に、皆帰る時に作文を書いていくんだけど、そのK君は、自分はマスターズのTシャツがすごく着心地がよかったです、と、でもたぶんグリーンジャケットのほうがもっと着心地がいいと思うんで、グリーンジャケット着れるようにがんばります、って書いてあったんだ(笑)

 皆ね、今の子達っていうのは積極的というか、自分のやろうとしてることっていうのをやっぱり自分で言ってくからね。やっぱりいいよね。かえってこう、なんか、自分はあのーそんないいです、なんとなく、っていうんじゃなくて、自分はマスターズでグリーンジャケットを、なんていうふうに声を出して言えるっていうのはやっぱりたいした、なんていうか成長というか、頼もしい限りだね。

 このジュニア合宿は、僕自身にとってもほんとにリフレッシュというか、こんなリフレッシュがあったんだっていうような、そういういい意味でね、刺激を受けたいい1週間だったね。


(1997.8.24掲載)

トーナメントのこの1打

 お知らせっていうほどじゃないんだけど、毎年やってる通例なんだけど、サントリーオープンの週に、外国人選手とか外国人キャディとか、まあ日本人の選手もキャディも来るけど、大バーベキュー大会がいつもあるんだ。

 これはたぶんみんな知らないと思うんだけど、マスコミの人にも言わないでやるから、なんてことないんだけど、いつも50人ぐらい集まるんだよね。たいへんだよぉ、ビールが200本ぐらい、ワインが30本ぐらい空いちゃうんだ。だからそれ用意するだけでもたいへんなんだけど、けっこうみんな楽しみにしてるから、今年もやろうかと。もう練正館は身動き取れないぐらい人が来るんだ。ただし雨天中止。野外でやるから。

 さて、今度から少しずつと思ってるんだけど、例えば今週のこのホールの、この試合のこの場面の、このショットがなぜ成功したかとか、なぜ失敗したかとかいう話を、技術的な話も含めて、トーナメントのこの1打っていうのを報告しようと思います。

 この1打はこういうふうな心構えで打って、技術的にはこういうところを練習しておいたから、これがその場面でできた。なんかトーナメントやってると必ずこの1打っていうのがあるわけだから、それを西遊記のラインに乗せていきましょう。比較的さりげなくね、この失敗はこんなところが悪かったなぁ、こんな練習もしてなかったし、とかね。

 それがこう意外と技術的な話としてヒントになってくれたらおもしろいかも知れないね。けっこう1回1ページを使うぐらいのそのぐらいのもんかなぁ。

 例えばちょっと前のサンコーの話なんだけど、サンコーの時のこの1打っていうのが3日目の1番にあるんだ。僕は実は今年イーグルが1個もなかったんだよね。でサンコーの3日目の1番で今年初めてのイーグルを記録できたんだけど、その1番のイーグルっていうのは、ロングホールで500ヤードちょっとのロングホールで、ドライバーがナイスショットでセカンド4番アイアンで、1メートル半につけてイーグルを取ったんだけど、今年は1番のティーショットっていうのは比較的成功する場面が多いんだ。

 割合としては7割ぐらいナイスショットしていけるんだけど、それは今年、まあいろんな本を読んで、メンタル的なトレーニングもしてるんだけど、そういう技術的なコーチについたり、メンタルの部分でのコーチもいるんだけど、1番ホールを1番にしないようになった。

 それはどういうことかというと・・・というような話をしていければと思ってます。続きはまた明日(笑)


(1997.8.25掲載)

スタートのティーショット

 さて、昨日ひっぱったままになってた話の続きを(笑)

 スタートホールを1番にしないようになったっていうのはどういうことかっていうと、練習場の最後の仕上げの時に、だいたい僕の場合スタートの前に1時間ぐらい練習するんだけど、まあ体がほんとにあったまってきた段階でドライバーの練習に入るよね。で、そのドライバーの練習の最後の1球を、試合の1番だと思って、試合の1発だと思って打つんだ。

 その1球を、ほんとにアドレスに入る心構えから、スイングから、力加減から、ほんとに1番と思って打っていくんだけど、そうすると今度は実際の1番ホールは肉体的には、あるいは精神的にも1番ホールじゃなくて2番ホールになるんだよね。2番ホールっていうのは極端な言い方かも知れないけど、要するにすでに1回リハーサルをしてるんだ。ティーショットのリハーサルを。

 だから用意ドン!のスタートホールじゃなくて、もうすでにギャラリースタンドとか、その時の風とか全部を自分が感じながら1回打ってるから、その時にはもう2回目だから、もっともっと体が動くっていうか、速やかに試合に入っていける

 ティーショットを自分の狙い通りに、結果的にそのホールは3日間で3回フェアウェイに打てたんだけど、初日がパー、2日目バーディ、3日目イーグル、4日目もイーグルだったんだ。で、セカンドもうまく入っていけた。そのティーショットの1発というのが非常に自分にとって、スムーズにスタートさせてくれる1打だったね。

 それが今季初のイーグルにつながったし、皆ね、ゴルフ西遊記読んでる人達もやはり練習なしのスタートなんて最悪だし、まさかそんなことはしないと思うんだけど、やはり練習場で、ただボールを打つんじゃなくて、せめて仕上げの何発かは、スタートしているぐらいの気持ちで、スタートしてくっていう意識で仕上げたらいいんじゃないかな。

 ただ、ゴルフ場によっては練習場がないコースがある。これはゴルフ場のポリシーの問題だけど、まあ最悪の場合は、素振りとか、危険じゃないところでね、その素振りでケガとか事故とかたまにあるらしいけど、そういうことの起きないように気を付けて素振りするとか、例えば芝生のゴミを目標にだとか、あるいは松ぼっくりだとか、そういう物を目印にして、気合いの入った素振りをするっていうのもいいことだね。


(1997.8.26掲載)

雅生がね、優勝したんですよ(笑)

 ジャンボ杯雅生が優勝しました。9アンダーで、2連覇です。でも今年は見行かなかったよ(笑)

 2位が茨城水城高校の太田君っていって、8アンダーでした。あんまりこうなんていうかな、太田君とかいうだけでよくは知らないけど。でもなんか怖いよね。息子の試合をよく知ってて、対戦相手も全部よく知ってるなんて言ったら、何お父さん仕事してるの?って感じだよね。やっぱこのぐらい無頓着のほうがいいんだね、子供にとってはね。

 ジャンボ杯やった鷹彦スリーっていうコースは素直だよね。広いからね。でグリーンは大きいし、やっぱりジュニアっていうのは、パッティングの感性がいいから、そんなに大きなグリーンも苦にならないって言うのかな。

 ヘタにこうプロになって悪い習慣がついてくると、大きなグリーンで遠くに乗ると、なんであんなとこ乗っかっちゃって、やっぱりダメだ、とかさ、あんなに遠かったら3パットの危険があるじゃないかとか、こうネガティブに思いがちだけど、子供達はそうは思わないからね。やっぱそういう点では攻めやすいんだろうね。

 雅生も今年は日本アマでずいぶんいい勉強したみたいだね。忍耐がなかったっていうのに気がついたみたいで。だから今回は4パットしてダブルボギーを打った、その後の自分の忍耐っていう物に対しての成長っていうか変化っていうのかな、そういう物を感じられたって自分自身も言ってたからね。

 これでまた来年川奈だねぇ。今年はねぇ、親は風邪引いて、子供は風で苦しんで。まあ来年は2回目だし今年のようにはならないようにしなくちゃね。


(1997.8.27掲載)

そろそろお父さんが提供しないとね

 子供達も大人顔負けのスケジュールでね、雅生今週サントリーオープンのマンデーに出るんだ。なんかマンデーの招待が来て、それに出るんで、なんか練習ラウンドもしてこなきゃいけないとか言ってたね。

 休みは休みでやっぱり1週間まるまる休みっていう感じじゃないし、やっぱり1つ2つぐらい練習ラウンドに行ってる感じだね。で、それが終わって来週は関東オープンなんだよね。

 長女のほうは長女のほうで、河口湖のほうになんとかカントリーっていう、なんとかカントリーじゃ悪いんだけど、またほら無頓着だから(笑) まあ、そのなんとかカントリーっていうところがあって、そこでフジサンケイレディースのマンデートーナメントに出るって言うんで練習ラウンド行ってくるっていうことでいないんだ。

 マンデートーナメント自体は月曜日にあるんだけど、練習ラウンドっていうことで行ってくるって。忙しいね、まったくね。ほんと自分だけが忙しいと思ってたら、とんでもなかったね。家族みんな忙しいっていう感じだね。僕はまた愛犬のテツ1人だけがほんとに心のよりどころで(苦笑)

 でもまあ、やっぱり流れがよくなってきたっていうのかな、例えば今回雅生が優勝したけど、雅生が日本ジュニアまであんまりよくなかったよね。インターハイも悪かったし、日本アマも悪かったし、日本ジュニアもよくなかった。でドライバーいろいろ悩んでる。そういう状況の中で、僕のスペアの、ちょっと疲れてる時に使うドライバーをあげたというか取られたというか

 それがもうぴったりとこう役立ってくれたというかね。こんなにいいドライバーだったのかっていう再確認を彼がしたみたいで、そういう点でもこう、なんとなくムードがよくなってる中島家っていう感じかな(笑)

 僕のほうは先週土曜日曜と、青森でテレビマッチがあって、青森の鯵ヶ沢っていうところなんだけど、ちょうどお岩木山の日本海側のふもとにあるんだ。ちょうど津軽平野の根本っていうか、付け根というか。出たのは、僕と飯合プロと高見プロ、東プロ、細川プロ、渡辺司プロ、宮瀬プロ、西川哲プロ。2人一緒になってチームを組んでやるんだけど、4人でティーショット打って、その後は2人のどっちかいいほうをチョイスしてやってくんだけどね。

 このテレビマッチでプレーしてたわけだけど、なかなかほんとにいいゴルフになってきたよ。最近ゴルフの成績に関して明るい話題っていうと雅生しか提供してくれないから(苦笑) そろそろお父さんが提供しないとね。


(1997.8.28掲載)

よーし、この感じだ!

 今週は火曜日にコースへ移動しました。先週はトミーチャレンジがあったり、クラブテストをしたりしてた。クラブテストがけっこう2日ぐらいかかったし、そういう点では先週1週間はけっこうゴルフやってたかなっていう感じ。

 ほんとだったら、1週間まるまる休みだったら、もう月曜日に出かけていって、火曜日に練習ラウンドして、プロアマやって本戦っていう、6日ゴルフパターンなんだけど、今週のKBCに限って言えばプロアマだけっていう感じで5日間だね。

 芥屋はあまり得意なコースじゃないんだよねぇ。今年はもうとにかく、仇討ちというか、仇討ちって言ったら変だけど、3年連続で予選で落っこちてるからね。こんな記録は、僕がプロになってたぶんこの試合だけだと思う。

 やっぱりコースレイアウトっていうのがやっぱりこうあんまり好きじゃないんだろうねぇ。そんなにはまるっていうホールはないんだけど、なんとなく全体にこう、車で言うとね、アクセル踏んでるのにサイドブレーキがかかってるぞっていう感じなのね。前に行ってくれないっていうかね。

 あのコースは高麗グリーンでしょ。でなんていうか、高麗グリーンは高麗グリーンで良さがあるし、別にそんなに変わるもんでもないんだけど、セカンドがダイレクトにガンガン攻められるっていう感じじゃないよね。やっぱりランをちょっと計算しなきゃいけないっていうか。まあ逆目のところは高麗でも戻ってきちゃったりするんだけど、順目だったら絶対戻って来ないからね。

 ただ、今年は予選自体は楽勝に通ると思うよ。ゴルフがそのぐらい良くなってきたから。去年はね、ちょうど足首が直ったぐらいで、たしかこれ前にも言った記憶があるんだけど・・・雑誌に載った記事だったかな、練正館で練習してる時にドライバーで大ダフりして、2発ぐらい見てた人に当たりそうになったっていうことがあったんだ。

 ちょうどそういうスイングがこう捻挫の影を引きずってというか、捻挫を引きずったスイングで固まってしまいつつあった時だから、KBCに行ってもやっぱりこう信じられないようなところにティーショット打っちゃったことがある。2、3回あったね。予選2日間だから、2日間で5、6発、自分でなんであんなところに行っちゃったんだろうなっていうようなショットを、まあそれは原因はわかってるんだけどね。そういうショットを打っちゃったねぇ。

 ほんとこう極端じゃなくて、やっぱりイップスになった時っていうのはもう50センチ60センチのパットが怖かったし、去年はこの8月になった時に、捻挫は直ったんだけどスイングがもうその影を引きずって、もう100ヤード先の池が怖かったというのが現実だったね。

 でも今はほんとに気持ちよく振れるようになったよ。やっぱり自信とか手応えっていうのは、体の内面から出てくるじゃない。よーし、この感じだ!っていうのが。だからそれで、逆に言えばずっと悪かった時にいろんな見つめる時間があったり、勉強する時間があったり、自分の中で振れてくるとなると、スイングに手応えが出てくると、その勉強したことがプラスになって、その相乗効果っていうのかな、どんどんどんどんよくなってきてくれるっていうところがあるね。だから練習ラウンドしなくたってもう余裕ですよ(笑)


(1997.8.29掲載)

100%の信念

 ワールドシリーズノーマンが勝ったねぇ。しかしまぁ、ノーマンのあのアドレスに入る、その動き、しぐさっていうのかな、1回足を大きくずらして、なんかどこ向いて行くんだっていう感じでアドレスに入っていくから、あれ?ノーマンどうしちゃったんだ、前より一段とひどいぞ、ひどいぞっていうか大袈裟だぞっていう感じでさ、びっくりしちゃったねぇ。

 ただアイアンが素晴らしかったね。ノーマンっていう選手はこう、コンスタントっていうか、平常時っていうかな、平常時のティーショットはほんと上手だね。基本的にフェアウェイはずさないけど、まあ特に最終の18番みたいにちょっとプレッシャーかかってきた時にちょっとすっぽぬけることがあるかなっていう感じかな。

 例えばマスターズのね、優勝しそうになった時にも、セカンドショット右に打ってギャラリーの中につっこんじゃって、結果的にニクラスに負けちゃったことがあったりしたけど、やっぱりちょっとプッシュアウトする時があるわけだけど、それ以外の平常時はほんとによくフェアウェイを捉えていくね。

 彼がなぜメジャーで2勝しかできないかっていうのは、まあそういう巡り合わせなんだろうね。難しい表現ではあるけれど、僕が見る限り、ノーマンはメジャーの時に、100%の自信は持ってないね。100%の自信というのかな、要するに常にガラス細工というか、ガラスのように見えるんだよね。

 タイガーとか、アーニー・エルスとか、そういう選手っていうのは、すごい決断力の強さもさることながら、100%なんだよね。要するに自分がやることに対する100%の信念を持ってる。自分がこれからやろうとしていることに対しての100%の信念を持ってる。アドレスに入るところから打ち終わるところまで全部がね。

 ところがノーマンは気持ちと狙いと、気持ちとターゲットがたまーにずれる時があるような気がする。例えば気持ちでは安全目にいってるのに、実際のスイングターゲットはピンに行っちゃってるとか、逆に気持ちではピンに行ってるのに、スイングターゲットが安全なほうに逃げたりとか。あるいはそれをまったく反対に攻め過ぎちゃうっていうのかなぁ。

 今年のマスターズ見ててみんな思ったと思うんだけど、タイガーはロングホールのセカンドで200ヤードも離れてても、ほんとに畳1枚分のところ、もう1メートル四方か2メートル四方のポイントしか、考えてないよね。

 タイガーの場合はそういうふうに、そこに自分は打つんだという気持ちだけを持ってるけれど、ノーマンの場合は、そこに打たなきゃいけないっていうふうに思っているのに、もう一方ではそこに打つんだっていう気持ちがスイングターゲットと合ってる。でも打たなきゃいけないと思ってるから、気持ちは本来向いているところからスイングターゲットがちょっとずれちゃうっていうのかなぁ、そういうところがあるような気がするね。


(1997.8.30掲載)

ジャンボとラウンドして

 さて2日間、KBC苦手なコースを回ってきました。で、一緒に回ったのがジャンボだったからねぇ。ジャンボと佐々木久行で、佐々木は2日目のハーフで体調悪くって棄権しちゃったけど。

 ジャンボが的確に伸ばしてくっていうかな、初日はそんないいゴルフじゃなかったんだけどね。ただ取りこぼしをしないっていうか、そのぉ・・・なんていうか・・・つまらないミスは絶対しないよね。

 だから、例えばアイアンで、ピッチングウェッジ持って、この状況でピッチングウェッジを持ったら、3メートルぐらいにくるだろうなぁって思うと3メートルぐらいにきて、それを、この状況だったら、3メートルのこのパットだったら、3発中2発入るだろうなぁと思うとやっぱり入ってとかね。

 なんていうかリカバーがうまいっていうのかなぁ。で2日目はドライバー替えてきたみたいで、ドローが打てるドライバーを持ってきたって言って、いいドロー打ってたけどね。

 ただ、回りながらしみじみ思ったけど、マスターズなんかの中継見てると、日本人選手の今日のラウンドっていう形で見るでしょう。その中継では、いかにもこう合わせて、弱々しいパットをするジャンボが、芥屋の高麗グリーンではビシバシ打ってくるわけだよ(笑)

 そのビシバシ打ってくるパットを見ると、あぁ、やっぱりこう、海外ではグリーンに負けちゃうんだなぁって気がするね。グリーンに負けるっていうのは、ゴルフっていうのはグリーンを入れてのスポーツだから、グリーンさえなければっていうスポーツじゃないから、結局ゴルフゲームの半分近く、例えばドライバーが3分の1、アイアンショットが3分の1、ショートゲームが3分の1とすると、あるいはもっと区分けして、ドライバーが4分の1、アイアンが4分の1、それからアプローチが4分の1、パッティングが4分の1として考えても、どう考えてもゴルフのパーセンテージの中ではグリーンが、パッティングっていうのが多く占められるよね。それがやっぱり向こうに行くとどうにも手に負えないんだろうね。

 そういえば倉本はどうしたかな。あっ、9オーバーにいるわ。初日1オーバー、2日目80。うーん、なんかショットイップスっていう話だけどねぇ。

 “我らがトミー”は2日目1アンダー、トータル3アンダーで18位。明日は爆発したいね。8アンダー、トータル10アンダーぐらいまで行けたらいいと思うんだけどね。明日はいくよ(笑)


(1997.8.31掲載)

出場試合を決めてるんだね

 今、なんかね、バンカーがヘタなんだ。バンカー入ると、ちょっと砂を多めに取っちゃうんだね。今週なんか発見しなきゃいかんなぁって思ってるんだけど。練習場ではこれかなと思ったことがあって、1回バンカーに入れた時にそれをやってみたんだけどね、物の見事にダメだった。寄らないねぇ。普通だったらピタッと寄せられるようなバンカーの状況だったんだけどねぇ。

 予選での僕とジャンボの組っていうのは、お客さんとしても見る価値があったんじゃないかな。僕は初日ティーショットよかったし、2日目は2日目でジャンボがよかったし、2人ともそれなりにバーディは取ったし、数多くね、2日間でいくと2人で20バーディ以上取ってるし、まあ僕はボギーが多いけどね(苦笑)

 そういえばジャンボは初日そんなによくなかったって昨日言ったけど、例えば18番のロングなんかでも2日間とも右のラフに打ってて、2日間とも刻んだんだけど、初日はパー、2日目はバーディ。そういうゴルフっていうのかな、ほんとにいい時のジャンボだったらフェアウェイ打って、そこから2オンさせてバーディかイーグルかっていうそういう、同じバーディにしてもそういうバーディの取り方っていうのかな、するんだけどね。

 ジャンボが全米プロの欠場を決めた時KBCだって出るか出ないかわからないって言ってたけど、絶対出ると思ってた。得意なコースだから。もう彼自身の中で年間の出場試合を決めてるんだね。こことこことここで出て、得意なコースを全部チェックしてあるから、KBCはわからないって言ってても、もう100%出るだろうと思ってたら案の定出てきたもんねぇ(笑)

 だからたぶんこの後は、マッチプレー休んで、サントリー出て、全日空出て、ジュン出て、日本オープン出て、で、東海休んで、ダイジェストは90%ぐらいの確率で出ないだろうね。

 ただその時までに賞金ランキングが下の選手が近づいてきてたら出るかも知れない。あとBS、それからフィリップモリス、太平洋、フェニックスは出るだろうね。カシオと日本シリーズはまあ状況しだいっていうところじゃないかな。